2005年9月アーカイブ

 日本は工場で使う産業用ロボットを世界で一番数多く稼動させている。その実績をベースに工場ではなく、家庭などで人の役に立つロボットを開発しようという動きが、日本では盛んになっている。8年前に本田技研が2足歩行する人間型ロボットを発表して以来、社会の期待が高まった。ソニー、トヨタ自動車というような開発力のある会社も家庭用ロボットの開発競争に参加した。一方、世界はどうかというと、米国などは人間型の開発には企業も国も(大学は別)、インターネットで調べる限り熱心のようには見えない。一方、今月になってソニーは人間型ロボットの開発を縮小すると発表した。経営の悪化を背景に、本業回帰が必要になったためである。ロボット開発研究の浮沈は、今も昔も変わらないようである。ロボット産業はこのような盛衰を繰り返しながら今日まで来ている。
 このような状況の中で、産業用ロボットが世に出てきた数10年前の状況なども振り返りながら、これから世の中に役立ってゆくだろうロボットの姿を、一市民の立場で、いろいろな角度から考えてみたい。

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左の図は産業用ロボットの出現に先立って、1948年頃に米国のアルゴンヌ(原子力研究所)で使われていた「マスタースレーブ式マニピュレータ」である。放射性物質を遠隔操作で取り扱う。

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