人口減少時代である。
貴重な人材に機械でもできる仕事をさせるのは、その内できなくなる。一方、国内の製造工場が空洞化したら、再び国内で物を作ることができなくなる。国内で物が作れないと、海外から買わねばならず、国力は低下するだろう。
そのような事態にならない前に、国内製造業のリーダは対策を考えておかねばならない。キャノンの御手洗会長(現経団連会長)はそのような先の見えるリーダの一人と思われる。例えばプリンターのインクカートリッジの製造ラインなどをロボットなどを使って完全自動化しようとしている(参照:基幹部品も自動化設備も内製)。
このような投資も最初のうちは思ったより大きなペイバックをもたらさないかもしれない。しかし、色々努力を続けるうちに、大きなペイバックを得られるようになることが期待される。技術は進歩するからである。
現在、製造業では機械組立て作業の多くはまだ人手に依存するところが多い。特に従来型のロボット利用のコンベアラインで失敗して、人間中心の組み立てセルで成功してからは特にその傾向が強い。
だからロボット化または自動化の努力が縮小しているように感ずる。新しい話題に接する機会が少ない。これでよいはずがない。新しくチャレンジしてゆかなければ発展はない。
過去の研究で眠っている技術を掘り起こし、また、新しい"人間と共存できるパートナーロボット"などの研究結果をも利用しつつ、新しい自動化研究を進めて欲しいものだ。