トヨタ自動車が2016年1月にシリコンバレーにロボット関連の研究会社(Toyota Research Institute Inc. 2020年までに1200億円を投入)をつくった。
・事故を起こさない車(完全自動運転車とは限らない)
・幅広い(年齢、その他)層の人々が運転できる車
・モビリティ技術を使った屋内用のロボット
・人工知能を使って科学的、原理的な技術の研究
が主な研究テーマだ。(TOYOTA Global Newsroom,Jan.05.2016を参照)
筆者としては、屋内用ロボットの開発に大いに期待している。
一方、Googleも
・自動運転車
・ロボット
・その他
などの開発を掲げている。
両社はともにシリコンバレーの会社であり、開発テーマの分野も重なって、良い意味で開発競争を始めることになるだろう。大いに開発競争を繰り広げてもらいたいものだ。
Googleでは、自動運転車は未解決の問題を多く包含しつつも、完全自動運転車を目指して開発が続行されているようだ。
しかし、ロボット開発の内容は、リーダの3度にわたる辞任、退社により不明確だ。ロボットグループのリーダには絶対なりたくないという社員が多いといううわさもある。IT Media News(2016.01.18)によると、米New York Timesからの記事として、最新のリーダはノキア出身のハンス・ピータ・ブロンドモ氏だということである。プロジェクトのリーダとしての経験が豊富な人物らしい。
初代のリーダであったルービン氏が買収した会社は8社にわたる。
2013年12月02日 SCHAFT Inc.(日) 東京大学発のベンチャー 、アンドロイドの開発
12月03日 Industrial Perception(米) 産業用のロボットアームの開発
12月04日 Redwood Robotics(米) 産業用のロボットアームの開発
12月05日 Meka Robotics(米) ヒューマノイドロボットの開発
12月06日 Holomni(米) ロボットの無指向性(全方向)車輪の開発
12月07日 Bot & Dolly(米) ロボットカメラの開発
12月10日 Boston Dynamics(米) 4足歩行ロボット(BigDogなど)の開発
2014年01月26日 DeepMind Technologies(英) 人工知能開発
GoogleのCEOであるラリー・ページ氏がロボット開発に意欲的なため、何度も新たなリーダを任命して、研究開発を進めようとしている。買収した企業の商品を見ると、開発テーマはルービン氏がGoogle在籍時にロボットチームの目標として提案したように、2020年までに「フィジカルな世界と交流できるコンシューマ商品」の先駆けを作るというものに尽きるのではないか?新リーダの手腕に期待したい。
以前から、Gooleが産業用ロボットを開発するといううわさはあり、また一方では、退社したルービン氏がFoxconnと個別に産業用ロボットの開発を進めているのではないか?といううわさもある。
ここでのキーワードは多量生産にたけたFoxconnである。Googleが買収したのは企業の商品ではなく、人材だと思うべきだ。多彩な発想豊かな人材を一つの製品テーマに収斂させて、2020年までに世界を変えるロボットを作ろうとしているのだと思う。まず手始めにFoxconnと産業ロボットを開発し、次にコンシューマロボット用ロボットを狙うのではないか?それとも、ルービン氏が産業用ロボットを、Googleがコンシューマ向けロボットをそれぞれ開発するのか?