この一週間に降った大雨で福井・石川・富山、岐阜、長野などで地滑りが発生し、数十名の人命が失われている。フィリピン沖の海水温度が平年に比べて高く、大量に発生した水蒸気がこの地方に異常な大雨をもたらした。このように、今後は通常の防災対策では防げない災害が増えてくるのではないか?想定降雨量を大きくして、それに基づいて河川を補強してもそれ以上の降雨量が襲ってくる。政府は防災方針を変更して、河川が決壊することを許容した街づくりを検討し始めたらしい。このような考え方には納得できるものがある。昨年米国を襲ったカトリーナクラスの熱帯低気圧(ハリケーンや台風など)が日本を襲わないという保証はない。もしそのようなことになれば現状では、東京、大阪、名古屋の大都市の中心部分は水没してしまうそうだ。事態はそこまで来ている。
異常気象は、平均気温や平均降雨量が変化するという緩やかな現象として捕らえるべきではなく、それらの(平均値からの)変動量が大きく暴れだす現象として捕らえるべきである。いままで経験したことがないような大雪が降ったり、大雨が降ったり、旱魃が続いたり、夏には過去に経験したこともないような熱波が襲ったきたり、逆に、冬には今まで経験したこののないような低温が襲ってきたりする。すでに、世界的にそのような現象が目立ってきている。
石油獲得の利権競争に奔走するのではなく、循環型のエネルギ開発と普及に全力で取り組まないと、人類は大きなダメージを受ける。そのダメージの金額の大きさに比べれば、循環型のエネルギ開発と普及に必要な金額ははるかに小さいはずである。人類の英知が試されている。