最近はパソコンに関するおもしろい展開がなくなってしまった。それを反映してか、「アサヒパソコン」、「月間アスキー」などというパソコン誌が姿を消している。また、パソコンの技術を扱ったWebサイト(例:Hotwired Japan)も同様のようだ。パソコンは売れているらしいが、「高画質のテレビが観れます」などという方面に各社いっせいに進んでいるので、テレビなどにはあまり興味がない筆者にとっては、まったく面白くない。世の中はパソコンのハードは成熟、インターネットも完成、次はコンテンツだとばかりに、やれi-Podだ、それへのコンテンツのネット配信(それも音楽と映像のみ)だという記事ばかりになってしまった。
しかし、パソコンを仕事に使うという立場で現状を見てみると、何と不完全なままで技術開発が放置されていることか?20年ほど前に、ゼロックスの研究所で提案されたパーソナルタグ技術(個人識別用のタグを身につけて任意のパソコンの前に行くと、それがその個人用にカスタマイズされて使えるようになる)などはその後どうなってしまったのか?筆者は単なる日程管理などという以上のPDAの役割をパソコンとの連携で期待していたのに、まったくそうなっていない。
私は、恥ずかしながらパソコンが不調になるとデータをバックアップしてからパソコンをリカバリして、アプリケーションのインストールと設定をいまだにやっている(ハードディスクイメージのバックアップソフトはパソコンのハードウェアの不調のためか使えなくなってしまった)。こんなつまらない仕事は機械で自動的にやってもらえないものか?個人タグ(PDAのようなものでも良い)をパソコンの前においておくと、PDAに保管してある個人情報(データベース)を元に、PDAが自動的に指令をパソコンに出してリカバリの仕事を完遂してくれるような仕組みが何故できないのか?わたしはこのような真の意味でのPersonal Digital Asistant を待ち望んでいる。
パソコンの進化停滞の理由は、パソコンのメーカが実質1社だけで寡占状態ということではないのか?Linux,Mac両陣営または新規陣営の奮起を願う。