白壁町で大正時代に富裕層が建てた建物を見てきたが、池下にも資産家の古川為三郎氏(ヘラルドクループ)が住んでいた家が為三郎記念館として公開されているので見てきた。豊田佐助邸などとは大きく違い、茶室を取り入れた数寄屋造りのしゃれた家であった。外観は桂離宮の書院建築のようである。508坪の急勾配の敷地には、木曽川を模した流れる川をあしらった豊かな日本庭園が造られている。
もともとは昭和9年に料理旅館として建てられたものを、戦後(昭和20年)に古川氏が買い取り、103歳で他界するまで住み続けた。平成7年に整備・改造されて、それから一般公開されている。
一般公開にあたってどの程度、改築されたのかわからないが、昭和初期でもこのような家が建てられていたのかと勉強になった。豊田佐助邸などには生活感があるが、此処にはそれがない。もともとが料亭として作られ、住宅として作られてはいないので、そうなる。ここに長らく住み続けた為三郎氏は、相当に風雅な人であったのだろう。
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