2006年2月アーカイブ

 久しぶりにアーサー・C・クラーク原作の映画「2001年宇宙の旅」を観た。約40年前の1968年にスタンリー・キューブリックと共同制作した作品であるが、コンピュータと人間の関係について本質的な問題を提起していて今でも新鮮な内容である。映画では、宇宙船を統合制御しているHAL9000というコンピュータが乗務員の命令を忠実に実行するシステムとして設計されたはずなのだが、いつの間にか意思のようなものを持ってしまったことから問題が発生する。ある時HAL9000はその判断ミスを乗務員に発見されてしまう。危険を感じた乗務員はHALを停止することを考えるがそれをHALにさとられてしまい、HALは乗務員を殺して自分を停止させないように画策する。しかし、乗務員は数人の仲間の命を犠牲にしたが、HALとの戦いに勝って、ついにHALを停止することに成功するという物語である。

 話を現実に戻すと、現在、HAL9000とまでは行かないまでも、コンピュータに知能を持たせようという研究が盛んである。しかし、不完全な知能コンピュータが人間に大きな被害を与える可能性は多く、これからそのような被害が現実のものになってくるかもしれない。コンピュータの判断を鵜呑みにするのではなく、人間の健全な良識で評価することの重要性がますます高まってくる。この作品はその重要性を指摘している。

 現実の例として日本が世界に誇る「地球シミュレータ」がある。地球の気象に関する数々の知見を与えてくれているすばらしい装置ではあるが、あくまでもコンピュータでありシミュレータである。現実の地球ではない。シミュレータはそのアルゴリズム、入力条件が変わると結果ががらりと変わってしまうものである。アルゴリズムや入力条件などが正しいかどうかは誰にもわからない。その結果をどう判断するかは、最後はやはり人間の良識であることを忘れてはならない。われわれも、「2001年宇宙の旅」の乗務員のようにコンピュータに用心深く賢くならねばならない。

地球シミュレータの写真
(NHKスペシャル 「気候大異変」 のサイトから引用)

スゴ録とi-pod

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 今年になってスゴ録とi-podを買った。小生はテレビや音楽の視聴に熱心なタイプではないので今まで買い控えてきたが、生活が楽しくなると薦めてくれる人がいたので買った。結果は正解であった。特にスゴ録に関しては、今までは観たいテレビ番組をうっかり観過ごしたこともしばしばであったが、今ではそれが少なくなった。パソコンでNHK-Onlineから放送予定などをチェックして面白そうなものを予約録画しておき、夕食後などに観ている。特にNHKスペシャルが好きでよく観るようになった。NHKの番組は他の番組でも似た内容を取り上げることが多いので特にNHKスペシャルを観なくても世の中の動きに後れることはないと思うが、NHKスペシャルなどをしっかり観る事で、話題のテーマに関してより正確な知識を持つことができるようになったと思う。

 7年ほど前に授業で将来のテレビの変化について学生の意見を聞いたことがあったが、ほしいテレビとは「観たいときに、観たいテレビが、観たいところで観られる」というものであった。当時はこのようなTVはインターネットを介してのVOD(Video ON Demand)かなと予想していたが、スゴ録などのHDD,DVD録画機で実現されるとは予想していなかった。「観たいところで」というのは、現在のスゴ録にはサーバ機能がついてないので実現できないが、この機能がついて、ビデオi-podなどでインターネットを介して観られるようになるのはもうすぐであろう。

参照:ソニーのスゴ録(RDR-VH95)

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