2006年9月アーカイブ

焼岳登山

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 今日は焼岳に登り中ノ湯温泉に下りる予定。今日も上天気だ。焼岳(標高2430m)は日本アルプスで唯一の活火山である。1915(大正4)年 に噴火 (水蒸気爆発)し、泥流によって梓川がせき止められ大正池が形成された。また、1962年(昭和37年)にも水蒸気爆発に伴う噴石で負傷者が4名でた。頂上近辺ではいまでもガスが噴出し、南峰は立ち入り禁止である。

 朝5時30分に山岳研究所を出発し、梓川沿いにある登り口(1495m)から登山道に入る。標高差935mを登る。最初はシラカバやダケカンバの林の中である。しばらくすると左側に峠沢が見える。沢はガリーと呼ばれる浸食谷で、火山灰(または泥流)が堆積した斜面を水の流れが削り取ってできたように見えた。頂上には溶岩ドームが見える。

写真:峠沢(7時40分)。(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)


 先に40人ほどのグループが登っており、梯子などで渋滞し、なかなか進めない。予定時間より遅れて小屋に到着。

写真:新中尾峠にある焼岳小屋(8時32分)(2080m)


 中尾峠展望台(2130m)から見える笠ヶ岳は、深田久弥によれば「笠ヶ岳の金字塔がこんなに立派に見えるところは他にない」そうだ。峠では盛りを過ぎたヤマハハコを見かけた。近くの草むらに蒸気を噴出している直径40~50cmの穴が2個あった。噴出音はするが噴気は見えず硫黄臭もあまりない。活火山らしい顔が見え始めた。

写真:中尾峠展望台(2130m)から見た笠ヶ岳(8時56分)。


 岩場にさしかかった辺りにはっきりと噴気が見えるガス噴気孔があった。硫黄臭があり周辺の岩に黄色の硫黄が付着している。ガスの大部分(99%以上)は水蒸気。
 参考:火山ガスが硫化水素や亜硫酸ガスを比較的多く含む場合,これを硫気という。これらを噴出しているところが噴気孔または硫気孔である。

写真:ガスの噴気(9時21分)


 溶岩ドームの裾を巻いて登る。このドームは約2000年前の噴火でできたとされる。

写真:溶岩ドーム(9時48分)。


 峠沢とは異なり溶岩流の断面が露出している。

写真:溶岩流(9時54分)


 北峰頂上直前にある噴気。規模は今までで一番大きい。風が噴気を登山道と逆方向に押し流しているので濃い噴気を吸わずに済んでいる。

写真:北峰頂上直前にある噴気(10時01分)


 焼岳北方頂上(2444m、上高地からの標高差は949m)に到着。展望は良く、槍ヶ岳の他にも上高地や穂高連峰などが真近かに見える。

写真:焼岳北方頂上から見える槍ケ岳と穂高岳(10時17分)


  頂上には中高年女性が多い40名くらいのグループが先着しており、座るスペースを見つけるのに苦労した。標識には標高2455mとなっているが、これは南峰(2455m、登頂不許可)の標識を流用しているのか?下山は中ノ湯温泉に向かって、急勾配の岩場を下りてゆく。

写真:焼岳北峰頂上(2444m)(10時33分)


 1持間ほど下るとリンドウ平(約2000m)と呼ばれる開けた広場に出る。ここまでの下山道沿いでもリンドウを見かけたが白山で見かけたリンドウより花が小ぶりだ。広葉樹の紅葉はまだだ。振り返ると焼岳南峰(2455m、左のピーク)、北峰(右のピーク)がよく見える。リンドウ平以降は樹林帯を下る。

写真:リンドウ平(11時48分)


 中ノ湯温泉(1500m)まで下りた後、ヘヤピンカーブの自動車道(158号線)を1時間ほど歩き14時00分に中ノ湯バス停(に到着。バスでアカンダナ駐車場まで行き、デポしてあった車に乗って「神ノ湯」温泉(露天風呂、中ノ湯温泉の源泉)に行き、汗を流した後帰路に着く。天候に恵まれ体力的には楽な山行であった。
 梯子や岩場が多かったのでストック(2本)の扱いに苦労したが、長い梯子ではザックに仕舞ったり、急な岩場では畳んで片手で2本持ったりしてしのいだ。勉強になった。

乗鞍岳-焼岳登山

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 9月24日に乗鞍岳、上高地にある日本山岳会山岳研究所に一泊、25日に焼岳へ登る予定。24日は快晴に恵まれた。金山を朝6時30分に車で出発。小牧IC-名神-一宮IC-東海北陸自動車道-高山西IC-158号線-一般道-41号線-158号線-ほうのき平駐車場と走り乗鞍スカイラインのバスで10時15分ごろ畳平に着く。(高山市内に入らず郊外を走ったので短時間で到着) 
 準備体操をしてから10時30分ごろ登山開始。朝日岳-蚕玉岳(こだまだけ)を経由して11時50分ごろ剣ケ峰(3026m)に到着。昼食後、富士見岳経由(13時14分)で13時30分ごろに畳平へ戻った。山の花はまったく見かけなかった。

 ほうのき平では空はどんよりと曇っていたが、畳平(2700m)まで来ると雲海を抜けて快晴となった。
蚕玉岳(こだまだけ)からの眺望がすばらしい。左奥から笠ヶ岳(2897m)、鷲羽岳(2924m)、野口五郎岳(2924m)、(槍ヶ岳(3180m)、西穂高岳(2909m)、奥穂高岳(3190m)、前穂高岳(3090m)、常念岳(2858m、雲の中で見えない)、蝶ヶ岳(2667m)などが見える。奥穂高岳と前穂高岳の間にある雪渓の下辺りが上高地(1500m)、上高地左で写真中央にある赤っぽい山が明日登る焼岳(2455m)。

写真:蚕玉岳からの眺望(11時30分)。(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)


 12時前に乗鞍岳の山頂の剣が峰(3026m)に到着。畳平から剣ケ峰までの標高差は約326m。白山(2702m)が雲海に浮かんで見える。

写真:剣が峰からの展望(11時56分)


 帰路に寄った富士見岳(2818m)からの西穂、奥穂、前穂と、前穂の右奥に常念岳(2857m)が真近かに見えた。また木曽川の源流の鉢盛山(2446m)を見ることもできた(写真にはない)。

写真:富士見岳(2818m)からの展望(13時15分)


 下山後、車でアカンダナ駐車場に移動して車をデポし低公害ディーゼルバスに乗り換えた。平湯トンネル、安房トンネル、釜トンネル経由で上高地に入る。今夜の宿である上高地山岳研究所に着いたのは16時20分。明日の天気もよさそうだ。

写真:河童橋から穂高連峰をみる(16時14分)


写真:日本山岳会 上高地山岳研究所(16時20分)

 秋山山行のための鍛錬として猿投山に登った。今日は雨は降らないという予報であったが、グリーンロードからみると頂上辺りは雲の中であった。昨夜までの雨で山全体がしっとりと湿っており、沢にも豊富に水が流れている。ウィークデイなので、体力鍛錬の中高年は当然のこととして、先生に引率された高校生や授業合間を縫って?の大学生の数人組みなどが登っており淋しくは無かった。
 猿投山には山野草の花は期待していなかったが、下山途中でヤジノホトトギスが咲いているのを見つけて嬉しくなった。よく見て歩けばまだまだ色々な山野草の花を見つけられるかもしれない。

写真:ヤマジノホトトギス(ユリ科ホトトギス属)、山地に生える多年草、花期は8-10月
 (カメラはPanasonic DMC-FX9)

三ノ峰、別山平へ

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 昨日は鳩ヶ湯鉱泉に泊まり、今日(2日目)は別山(2399.4m)をめざす。上小池駐車場(920m)まで車で行き、5時25分に登山開始。標高差1479m。すでに周りは明るくなっている。できれば別山にピストン登山したいが果たしてどうか?右足首に若干痛みがあるのが気にかかる。

 六本檜(1430m)まで直登し休憩する。赤兎山(右端の一番高い山)が見える。その左にわずかに顔を出しているが経ヶ岳。左端に雲間から顔を出しているのが荒島岳。上小池登山口から六本檜(地元の資料では6本槍)までは急登(標高差510m)が続くが、登り易い登山道だった。

図:GoogleEarth を使って登山路を画像化したもの。刈込池から3本杉(6本檜が正しい)、三の峰避難小屋、別山平、別山への登山道の地形が理解しやすい。

写真:六本檜から赤兎山(右端の一番高い山)を見る(7時6分)。(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)


 さらに三ノ峰方面を見ると、右に三ノ峰避難小屋のピーク、中央左に三ノ峰のピークが確認できる。別山は見えない。三ノ峰の左裾野の奥辺りか? ここから別山までの標高差は969m。剣ガ岩を経て三ノ峰へ登る尾根道が見える。



写真:六本檜から三ノ峰方面を見る(7時6分)

 六本檜を過ぎてからは尾根歩きになる。見晴らせる山頂山腹の緑がまぶしい。剣ガ岩(1671m)には稜線解説版が置いてあった。

写真:剣ガ岩にある稜線解説版(8時0分)


剣ガ岩から振り返ると荒島岳(1523m)が雲に浮いていた(8時0分)。

写真:剣が岩から見える荒島岳(8時0分)


 三ノ峰避難小屋(2080m)に近づいたころ斜面に花畑があった。黄はマルバダケブキやメタカラコウ、ピンクはアザミやシモツケソウ(花なし)、紫はタカネマツムシソウ、白はセリ科の花(イブキゼリ)か?

写真:三ノ峰避難小屋の下あたりにある花畑(9時3分)


写真:タカネマツムシソウの群生(9時3分)


写真:タカネマツムシソウ(9時3分)(マツムシソウ科マツムシソウ属)、高山に咲く越年草、花期は8-9月


 三ノ峰避難小屋に9時25分に到着。30分ほど休んだ後で、別山に向かって登山開始。10時1分に三ノ峰、10時57分に別山平(2208m)に到着。空の色は下界とはまったく違う。冷たい風が肌に心地よい。御手洗池の周りにはお花畑もある。ここからは別山(2399.4m)がはっきりと見える。ここからの標高差は約190mである。

写真:別山平にある御手洗池から見える別山(10時58分)


写真:池の周りにあるお花畑。(11時9分)


 鳩ケ湯鉱泉で汗を流すには16時には戻らないといけないので、別山に登っていると間に合わない。別山への登山はまたの機会にとっておき、11時30分に下山を開始する。12時4分に三ノ峰通過。

 三ノ峰避難小屋からの下りの尾根沿いには、色々な花が咲いているが、夏の花はそろそろ終わりで花の数は最盛期よりも少なくなっているに違いない。一方、珍しい花も見かけても、そのような時に限り急坂を登り降りしている時だったりして撮り損ねた花(タカネナデシコ、コケモモ、ハクサンシャジンなど)も多い。

写真:ハクサンフウロ(風露)(12時36分)(フウロソウ科フウロソウ属)、高山、深山に咲く多年草。花期は7-8月


写真:ウメバチソウ(梅鉢草)(12時38分)、ユキノシタ科ウメバチソウ属、山地や山麓の湿り気のある日当たりの良いところに生える多年草。花期は8-10月

写真:ミヤマコゴメグサ(12時49分)、ゴマノハグサ科コゴメグサ属、高山の草地に生える一年草。花期は7-9月



写真:カライトソウ(唐糸草)(12時50分)、バラ科ワレモコウ属、中部地方の日本海側山地に生える多年草。花期は8-9月

写真:オヤマリンドウ(12時53分)(リンドウ科リンドウ属)。花は閉じているのが殆ど(平開しないらしい)。たまに開いているものもあったが種類が違うリンドウと思われる。花期は8-9月

写真:白いオヤマリンドウ(12時53分)、葉が傷ついているけれど、形はオヤマリンドウに違いない。白は奇形なのか?

写真:クルマバハグマ(14時9分)(キク科コウヤボウキ属)。樹林帯に入ってから見かけた。

写真:カニコウモリ(14時35分)(キク科コウモリソウ属)、亜高山帯付近の針葉樹林帯に生える。花期は8-9月

写真:ハクサントリカブト(15時4分)(キンポウゲ科トリカブト属)。多くは木の無い尾根まわりで咲いているが、樹林帯の中でも見かけた。花期は7-8月


 15時19分には登山口まで無事に下りることができた。別山平と小池駐車場との標高差1288m。六本檜に来るまでの尾根歩きは強い日差しに照らされて特に暑かったし、また標高が低くなるにつれて蒸し暑くなった。別山平や三ノ峰での風の冷たさが夢のようだ。

写真:登山口(15時19分)


 見かけた木の花は、

写真:ホツツジ(13時4分)(ツツジ科ホツツジ属)、日当たりの良い山地に生える。花期は8-10月。(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)。

写真:タマアジサイ(玉紫陽花)の蕾(13時22分)(ユキノシタ科アジサイ属)、山地の谷川沿いに良く生える。花期は8-9月

写真:タマアジサイ(花))(13時22分)

 去る7月16日に雨のため中止にした三ノ峰、別山(白山国立公園)登山のリベンジを計画した。第1日目は名古屋高速-小牧IC-名神高速道路-一宮IC-東海北陸自動車道-白鳥IC-158号線-勝原-173号線-鳩ヶ湯鉱泉-上小池駐車場(標高920m)と走った。ここに車を置いて上小池刈込池自然研究路を散策。刈込池を巡る一周4.3km、標高差100-150m程度のブナ林の中の道である。「熊に注意」の看板が目立つ。われわれ以外に散策者は見かけず、打波川の川音以外は聞こえない静かな環境だ。森の中はひんやりと涼しい。明日は三ノ峰、別山を目指す。
 見かけた野草の花々は、

写真:ツリフネソウ(11時45分)(ツリフネソウ科ツリフネソウ属)、山地に生える1年草。道沿いに群生していた。花期は8-10月。(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)

写真:アキギリ(12時8分)(シソ科アキギリ属)、山地に生える多年草、花期は8-10月

写真:ミズヒキ(12時21分)(タデ科タデ属)、山野に生える多年草(名古屋市の公園でも見かける)、花期は8-10月

写真:キツリフネ(12時26分))(ツリフネソウ科ツリフネソウ属)、山地の湿り気のあるところに生える1年草。花期は6-9月。ツリフネに比べてキツリフネは多くは見かけなかった。

写真:キオン(12時38分)(キク科キオン属)、山地に生える多年草、花期は8-9月

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