2006年11月アーカイブ

 昨日に続いて京都北山を歩く。葛川(かつかわ)学校前から峰床山(みねとこやま)に登り、大悲山峰定寺(ぶじょうじ)へ下りる。
 朝、車で葛川学校前(標高330m)まで行き、7時15分に山行開始。江賀谷を登り、中村乗越、六尺道、八丁平、オグロ坂峠、峰床山、俵坂峠を経由し大悲山峰定寺(標高450m)に13時に到着。峰床山は花背(はなせ)地域(2.5万分の1地形図名)にある。"みねとこ"と言い、"はなせ"と言い、いかにも京都らしい雅な響きの名付けだと感心する。

  写真:江賀谷を登る(8時25分)。



 写真:八丁平は広く明るい高層湿原(標高約800m)だ。日本のトンボの中で最小の種類であるハッチョウトンボがいるらしい。(9時13分)



 写真:峰床山(970m)は京都府では2番目に高い山だ。頂上南方には良好な視界が開けており、京都府最高峰の皆子山(みなこやま、971.5m)が見えた(10時43分)。峰床山を下り俵坂峠に至る途中で久多中継局の横の道を選ぶ。ここを間違えると悪路を下ることになってしまうので要注意(通路標識が二つあって選択に迷う)。

  写真:俵坂峠(800m)からの急な下り。北山杉で有名な杉が整然と並んでいる。さすがに手入れが行き届いている。(11時37分)



  写真:大悲山 峰定寺(450m)。850年前に創建された。崖に臨んだ舞台懸崖作りの本堂が印象的(500円を払うと拝観できる。カメラの持込は禁止)。金比羅天立像など多くの重要文化財があるが、普段は観る事はできない。境内には高野槙の大木(写真)がある。(13時37分)


  写真:峰定寺で車に乗り帰路に着く。途中、鞍馬寺の山門横(標高250m)を通る(比叡電鉄鞍馬線の鞍馬駅近く)。まだ紅葉が残っている。(14時52分

 紅葉の季節が終わった晩秋の京都北山を散策した。今日は貴船山と魚谷山を歩く。
 北山(丹波)は人類学者・今西錦司、科学者・西堀栄三郎、民俗学者・梅棹忠雄山、文化人類学者・川喜多次郎など京都大学出身のフィールドワーカーの学者達が青年時代に歩いた山域である。1000m以下の地味な低山群が多く広がっている。そこでの体験を下にヒマラヤや南極探検などに出かけ多くのパイオニア的業績を上げた。
 今日は車で比叡山電鉄二ノ瀬駅(標高200m)までゆき、10時15分に二ノ瀬ユリ道から山行を開始。貴船山(標高722m、三角点のない方のピーク)、滝谷峠、滝谷峠分岐、柳谷峠、魚谷山(標高816.2m)、柳谷峠、滝谷峠分岐を経て松尾谷出会(標高350m)に15時到着。

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貴船山への道

(11時45分)

貴船山頂上(722m)

(12時01分)

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貴船山頂上のケルン

(13時20分)

今西錦司博士のレリーフ

  比叡電鉄二ノ瀬駅から貴船山までの道は北山杉を中心とする樹林帯の中である。紅葉の季節は終わり登山道には紅葉の絨毯も見掛けた。滝谷峠からの谷道には魚谷山への標識(谷から離れる)があるが、その道は踏み跡がわかりにくいらしい。今回は谷筋を歩いた。滝谷峠分岐から魚谷山に至る谷道には北山をこよなく愛した日本山岳会の大先輩・今西錦司博士のレリーフがあった。この道を通って魚谷山によく登ったそうだ。北山は春の新緑、秋の紅葉、冬の深雪など魅力に富み、また神社仏閣なども多くあって楽しみの多い散策エリヤのようだ。

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魚谷山の頂上

816.2m、視界はない

(13時49分)

魚谷山から柳谷峠を経て
滝谷峠分岐に至る谷道

(14時23分)

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谷道から見える紅葉の終わった広葉樹林(14時26分)

 松尾谷出会いから車に乗り、16時に本日の宿である石楠花山荘(大津市葛川梅ノ木町)に着いた。明日は、峰床山に登る。

 コナラの樹はまだ黄葉していない。



  相生山緑地のはずれにリンゴ園があった。リンゴは青森、長野などの寒冷地が産地だ。酷暑の名古屋でもこんなにたわわに実がなるのだなー。




   相生山緑地のリンゴ園

   上記写真:天白川の河畔の桜の紅葉など

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久方一丁目のナンキンハゼ
(トウダイグサ科シラキ属)種子からロウや油が取れる。 種子は有毒。

 国見岳尾根からいったん下山し、御在所岳ロープウェイを往復して眼下の紅葉を眺めた。今が最盛期と思われる。写真は60m鉄塔の前後で撮ったもの。60m鉄塔はロープウェイ用としては日本一の高さ。

 紅葉見物に裏道を登った。天狗の庭は例年のようにきれいに紅葉していた。天狗の踊り場から少し登った所にある岩ガレ谷から国見尾根(1004m)へ急登した。尾根に上がると谷の北向こうの南斜面がきれいに紅葉していた。

写真:天狗の庭

写真:国見尾根鞍部から北方向に見える紅葉

 Google Earthという衛星写真のデータベースがインターネット上で見られるようになった。これを使えば、世界のどの場所でも詳細な空中写真が見られる。自分の家の屋根の形や色、周辺の様子でさえが見ることができる。技術はとどまることを知らない。
 さて、Google Earth でオアシスの森を見てみた。名古屋市という人間によって浸食されつつある自然の中で、オアシスの森は浸食されて消滅寸前のように見える。これを見ると自分たちが地球に対して何をやっているかが良く理解できる。自分たちががん細胞のようになって地球を死に追いやらないように、緑を残すことに意識を高めねばならないと感じる。

写真1:消滅寸前のように見えるオアシスの森

 写真2を見ると、オアシスの森の西方向から森を横断する道路工事が始まっているのが見える。相生山緑地(南の2/3の部分)も市が緑地帯に指定しているのではなかったか?最近、新しい家が建っているのが気になる。

写真2:オアシスの森(北の1/3)と相生山緑地(南2/3)の様子。


新池に秋

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 土手をカゼクサが色彩豊かにしている。(イネ科スズメガヤ属、花期は8月から10月)


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 名古屋市天白区在住の筆者がその行動範囲内で自然を観察・記録する。
サイト名を「モブログ研究」としたのは、ケイタイで撮った写真やメールを屋外の現場からこのサイトにアップできるので、"面白い効果が発見できるかな?"と考えたからである。色々トライしてみたい。

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