生産立ち上げまでのリードタイムの短縮が課題

| コメント(0)

 今まで紹介してきたロボット化組立てライン、ロボット化組立てセルはそれぞれの製品に対して利潤を生んでいるが、いかなる製品に対しても適用できるわけではない。現状では新しい製品の組立てラインを立ち上げるまでに、高度な能力を持った技術者が取り組んでも、生産準備に数ヶ月から1年程度の期間を必要とする。したがって、3から4ヶ月程度の短期で生産が終了するような製品や、いち早く生産を立ち上げる必要がある場合にはロボット化組立てライン(セル)は対応できない。情報家電のように、近年急激に生産完了期間が短縮(3から4ヶ月)されてきた製品には、組立て自動化ラインは廃止され人が組み立てるセル型生産システムに切り替わってしまった。しかし、人手を使った組立てでは、製品品質は下がらざるを得ない。このような生産形態に対応できる新しい技術開発が待たれる。
 米国でAgile Manufacturing(すばやい生産準備)という言葉が提唱され、それに対して色々な
プロトタイプが提案されてきたが、どの程度成功しているのだろうか?

 追記:2009年12月5日
 人手を使った国内のセル生産システムの一部では、人件費の低い派遣社員を使って低コスト生産を可能にしているものがあった。このようなシステムはこれからは実現が難しくなる。国外に工場を移転するか、新しい生産システムを開発するか、いずれかが選択肢となる。将来を考えた場合、日本はやはり後者を追及して欲しいものだ。これができれば。国内に工場を作り国富を増すことができる。ものづくりでは世界に敵なしの状態を実現できる。研究努力を怠ってはならない。

コメントする

このブログ記事について

このページは、essahoiが2006年4月18日 17:30に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「デンソーのCircular Assembly Cell(循環型組立セル)」です。

次のブログ記事は「リアルタイム制御用の新しいコンピュータシステム」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。