現在の産業用ロボットでは難しい組立て作業の例としてしばしば挙げられるのは、変形しやすく正確に掴みにくい対象物の扱いである。たとえば、ワイヤーハーネスとかゴムパイプなどがある。このために、ロボットにはやわらかいものを掴めるハンドだとか、それらの部品の変形を認識・計測できる視覚機能をの開発が必要だという結論になりがちである。このような前提に立つと、それらの機能ができるまでは機械組み立ての自動化は困難になってしまう(注1)。
実際の現場では現在の産業用ロボットで自動化できる作業と困難な作業を切り分けて、自動化できない作業はまとめて人間の作業者が組み立てるライン構成にする。つまり、ロボット化組立てラインと作業者用組立てラインとを適切に分離することでロボット化を進めている。 ロボットが組み立てる部分、人が組み立てる部分などをそれぞれが組み立て易いように考慮して製品設計することが成功のキーになる。
注1:力覚や3次元視覚を持ち、色々な形状を持つ部品を正確に把持できるロボットは現状では高価格で、作業速度が遅く、かつ信頼性に欠けることが問題である。組立て作業のような作業付加価値が低く、数秒単位のすばやい作業を要求される現場ではなかなかペイできない設備となってしまう。しかし、作業速度が比較的遅くてもよい作業などには、ファナックなどで導入が始まっている。
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