SME(Small and Medium-sized Enterprises)用ロボットの開発目標は中小量生産向けで、生産を短時間で立ち上げられるロボットシステムの開発である。LWRが何故そのシステムに有用なのか、開発者の主張点をまとめてみる。
LWRでは、その関節にトルクセンサを組み込んであるのでアームのどの部分を触ってもアームを動かすことができる。オペレータはロボットに装着したツールを掴んで作業順序にそってツールを案内(=Lead-Through )できるので作業教示が短時間でできる。Lead-Through Programming では教示をするオペレータと教示されるロボットが同じ領域に存在することになるので、オペレータの安全保証が必要になる。そこで、アームのどの部分を触ってもアームを動かせる特性(Sensibility along the entire arm structure)がオペレータの安全確保に役立つ。
以上がSME用ロボットにLWRを使う理由の大部分であると思われる。関節トルクセンサを組み込むことでロボットが高価になっても、生産を短時間で立ち上げられるというメリットの方が大きいと開発者が判断したものと思われる。
LWRは最初は人とロボットが一緒に働くサービスロボットを目標として開発されたらしい。しかし、サービスロボットの利用市場がまだ未成熟なため、ニーズが多くない。そこで、SME用のロボットとして使うことを先行するニーズとして捉えて、利用方法を考えているように思われる。はたして、SMEにLWRのニーズはあるだろうか?今後、注目してゆきたい。
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