Voice(雑誌)の2006年2月号でリチャード・クーさんが言っていることにまったく同感だ。日本人は感性豊かで繊細な美意識を持つ民族で、歴史的にも世界的な美術工芸品を育ててきたと自慢する向きがある。それならば、欧米の町並みのきれいさと現在の日本のそれを比べてみてほしい。日本の町並みの多くが繊細な美意識を持った民族ならば造るはずの無い、雑然としたコンクリートジャングルである。いったいどうなっているのか?私はその根源の一端は腰の重い(抵抗勢力的な)役人にあるのではないかと考えている。例えば電柱と電線が織り成す、美意識のかけらもない蜘蛛の巣のような電線工事をどう見るか?よくもこんな汚らしい工事ができるものかと、私も技術者の端くれとして、それをやらせた技術監督者のセンスが腹立たしい。その他、美意識にかけらも無い看板のデザイン、色など、これもひどいものが多い。看板屋はデザインの勉強をしたことが無いのか?このために、いくらきれいなビルを作っても、家を建てても町の見栄えは台無しになってしまう。それを放置していたのは役人だ。だから、みんなで協力して町並みをきれいにしようという運動が市民の間にも生まれてこない。自分の都合だけで適当に建ててしまえという寒々しい気持ちになってしまう。このような町並みが子供たちの精神構造に大きな影響を与えないわけは無い。今すぐに、われわれは十分に反省して町並みを作り直す行動を始めなければならない。
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