10月29日の朝日新聞の広告(日本原子力文化振興財団)に興味深い見解が掲載されていた。それは原子力発電以外に環境適応型のエネルギーはないと主張するジェームス・ラブロック博士(注1)の警告である。「地球温暖化による耐え難い酷暑の世界が迫っている」と主張している。2040年までには2003年に2万人の死者を出した欧州の耐え難い酷暑の夏が当たり前になり、2060年までにはその炎熱の夏が涼しいとすら思えるようになるという。現在の人口密集地帯に住む多くの人類は滅亡し、少数の人類だけが寒冷地にわずかに残った大陸の緑地帯や、島々へ追いやられる。これは誇張のように見えるが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書に比べ、その表現の仕方が異なるだけだという。
こんな警告がなされているのに、各国政府のリーダたちは差し迫った危機感を強く持っていないようだ。われわれ大衆も、何の根拠も無く危機はまだまだ先のことだと思っている。今年の日本の秋は夏のように暑い。人々が飲んだり食ったり遊んだりしている背後で人類を破滅させる変化が速度を増している。世界の国々のリーダは人類最高レベルの重要課題として温暖化対策に取り組まねばならない(参考:国際熱核融合実験炉ITER)。核兵器で人類が滅びるよりも、温暖化で滅びる可能性が高いのかもしれない。
注1:地球を一つの生命体とする「ガイア理論」の提唱者
「ガイア理論」;地球はその気温と化学組成を常に生命に最適な状態に保つという目標を持って活動する、自己調節型の存在であると考える。地球は高温安定状態に向けて急激な気温上昇を起こしつつあると示唆している。
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