2007年5月当初に発表されたIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書で、地球の温暖化の原因は化石燃料の利用に基づく大気中への炭酸ガスの蓄積が原因だという結論を出した。
科学者からの国民への緊急メッセージによれば、人類が化石燃料の消費によって毎年排出する二酸化炭素の量は約70億炭素トンであり、一方、自然界が1年間に吸収できる二酸化炭素の量には限りがあり、人為的な排出量のうち約30億炭素トンにとどまると推定されている。気候を安定化させ、悪影響の拡大を防ぐには、人類全体が排出する温室効果ガスの量と吸収量をバランスさせる必要がある。つまり、現状の排出量の50%以上を削減しなければ、温暖化は続くことになる。
これは大変なことである。エネルギ利用の効率化などではとても追いつかないだろう。化石燃料のエネルギ利用を現状の1/2に削減すれば良いことになるが、それを原子力発電所の建設で補うのか、再生可能なエネルギの利用で補うのか?抜本的な計画と実行が待ったなしで求められていることを認識しなければならない。
車はすべてハイブリッドエンジンにするとか、家庭のエネルギの1/2は太陽光発電でまかなうこととかいうように、現状では非常識と思われるような政策を直ちに実行開始しなければならない。それがやれないようならば、CO2の50%削減などはとても実現できないだろう。
EUは自然エネルギ利用に熱心なことで知られているが、オランダはすでに国内総エネルギの20%を風力発電でまかなっているそうだ。さらに30%を目指しているそうだ。自然エネルギの利用も捨てたものではない。
5月25日のクローズアップ現代にレスター・ブラウン博士が出演し、IPCCなどの報告書が出たことに言及し、ソビエト連邦が一夜にして崩壊したように、化石燃料で成り立っている現代社会の崩壊(パラダイムシフト)は予想外に早く(一夜にして?)起こるだろうと期待していたのが印象的であった。
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