2009年1月アーカイブ

 生活の豊かさを感じさせてくれる要素として衣食住がある。現在の日本では衣食に関しては、次第に良質なものが得られるようになってきてはいるが、住宅に関してはまだまだ問題が多い。例えば夏熱く冬寒い住宅が多い。使えるエネルギーが安く手に入り、例えば、全館空調などができれば、生活の満足感は大いに高まるはずである。これからの日本を設計する時の一つの目標として、維持費が十分に安い快適な住宅というのはどうであろうか?現在は自家用車や便利な家電製品などで豊かさを感じているが、そろそろ需要が飽和している。これからはレベルの低い状態にとどまっている住宅の質をワンランク高めることを目標としてはどうだろうか?現在では全館空調などは電気代が高くなり、だれでもというわけには行かないが、低価格で断熱性の高い住宅や、環境にやさしく低価格なエネルギーを開発できれば皆が利用できるようになる。大きな需要(内需)が隠れている。
 このような良質な住宅に住むことを目指すのは心躍ることではないか?
 オバマ次期米国大統領は環境やエネルギー技術を米国の新ニューディール政策として取り組むといっている。エネルギ価格が高騰傾向にある現在では必然的に必要になる政策であり、正に時期を得ている。その国民のやる気を国家レベルで結集する政治家の政策提案レベルの高さに脱帽したい。日本の政治家も、国民の心を希望に躍らせるような目標設定と取り組みを実行して欲しいものだ。もし日本が世界を凌駕する関連商品を開発できれば日本の新しい輸出商品となりうる。

 金融危機のために自動車や家電機器が海外、特にアメリカで売れなくなり、輸出主導型メーカが2008年度3月期の決算で軒並み赤字を計上することになりそうだ。

 エネルギーを使わない方向へシフトしている。
 しかし、エネルギをたくさん使ったほうが快適な生活を送れる。
 多エネルギ消費でも環境を悪化させない方向の研究をするべき。

 アメリカが膨大な貿易赤字を放置したために今回の金融危機が起こったように、理屈に合わない繁栄は必ず崩壊する。日本もアメリカの悪口ばかりを言っておられない。日本の財政赤字を現在のように放置すれば必ず日本の現在の繁栄は崩壊する。いままで大丈夫であったから今後も大丈夫だろうなどという理屈に合わない期待を持つべきではない。今度の金融危機で日本の輸出産業が破綻し、貿易収支の赤字が続けば遠からず強烈なインフレが襲ってくるだろう。
 日本はやはり今後も貿易立国の国であると思う。次の世界をリードするあたらしい商品は何か?そこを敏感に察知して世界トップの商品を作ってゆかねばならない。それはエネルギー、食料に関連するもののような気がする。

 米国発の金融危機で不良債権が世界中にばら撒かれた。世界的に債権価格や株価が下がり、多くの人が大きな損失をこうむった。当然、物が売れなくなって、特に日本の輸出産業はここ10数年経験したことの無い不況に襲われている。
 何故金融危機が起きたのか?もう20年以上前から、多くの経済学者がアメリカの過剰消費(大衆が自己資金が無いのにローンでものを買う)と貿易赤字をみて何時かは限界が来ると予想していたが、それが正に到来したわけである。当たり前のことが起こったわけである。
 何故、多くのアメリカ人はローンでものを買ったのか?これは中産階級への所得の分配が不足したためといわれている。貿易を黒字にして、中産階級の懐を豊かにして消費をしてもらうべきところを、国が貿易赤字で貧乏になっているのに、世界からお金を借りて大衆に消費させる政策をアメリカ政府がやったためである。政治の失敗である。
 また、日本を始とする貿易黒字国が、貧乏人のアメリカ人にお金を貸して(アメリカの債券を買って)、ものを買ってもらうという戦略を続けてきたことも問題であった。
 これからの日本はアメリカの轍を踏んではならない。貿易黒字を確保することに全力を振り向けるべきである。そのためには世界の人々が必要とする魅力的な商品をより安い価格で提供することを工夫するべきである。金融はあくまでも経済の血液である。付加価値を世界に提供すること無しに金融で食べてゆくなどは考えないほうがよい。

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