米国発の金融危機で不良債権が世界中にばら撒かれた。世界的に債権価格や株価が下がり、多くの人が大きな損失をこうむった。当然、物が売れなくなって、特に日本の輸出産業はここ10数年経験したことの無い不況に襲われている。
何故金融危機が起きたのか?もう20年以上前から、多くの経済学者がアメリカの過剰消費(大衆が自己資金が無いのにローンでものを買う)と貿易赤字をみて何時かは限界が来ると予想していたが、それが正に到来したわけである。当たり前のことが起こったわけである。
何故、多くのアメリカ人はローンでものを買ったのか?これは中産階級への所得の分配が不足したためといわれている。貿易を黒字にして、中産階級の懐を豊かにして消費をしてもらうべきところを、国が貿易赤字で貧乏になっているのに、世界からお金を借りて大衆に消費させる政策をアメリカ政府がやったためである。政治の失敗である。
また、日本を始とする貿易黒字国が、貧乏人のアメリカ人にお金を貸して(アメリカの債券を買って)、ものを買ってもらうという戦略を続けてきたことも問題であった。
これからの日本はアメリカの轍を踏んではならない。貿易黒字を確保することに全力を振り向けるべきである。そのためには世界の人々が必要とする魅力的な商品をより安い価格で提供することを工夫するべきである。金融はあくまでも経済の血液である。付加価値を世界に提供すること無しに金融で食べてゆくなどは考えないほうがよい。
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