2010年1月アーカイブ

 愛英黒石幼稚園の西から北西辺りにある緑の山や谷(土原1)で大規模な宅地造成が、開始されている。最近、急に始まったようだ。回りが宅地された後も40年~50年も緑の山が残されていた場所であるが、ついに緑の大規模な伐採が始まった。地図で見ると、現在緑の山であっても緑色に塗られていない、いわゆる緑地帯の指定になっていない私有地である。

 緑地帯指定がなければ緑を伐採して自由に宅地化できるということに、疑問を感じる。緑は住民の健康をまもるかけがいのない自然環境である。多様な植生や野鳥の存在は、住民が健康に生活できる環境のバロメータである。今後、これらが失われてゆく危惧を感じる。
 ナショナルトラストという仕組みがあり、市民の寄付を募って、土地を買い取り、都会に緑を残すということが可能性としてはあるが、名古屋市では盛り上がっていない。筆者を含め名古屋市民の熱意が不足している。
  COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が来年名古屋で開かれるというのに、地元の名古屋市内で生物多様性を支える森の大規模伐採が活性化されているのは恥ずかしいことだ。近くのオアシスの森では森を分断する道路が作られつつある。平針の里山の開発も同様だ。オアシスの森や平針の里山では反対運動があるが、土原の森ではそれは聞かない。
 相生山緑地やオアシスの森も私有地が多いと聞く。ナショナルトラストのような運動を立ち上げないと、将来どうなるか分からないのではないか?開発が始まってしまってからではもう遅い。

 今日、自宅の外気清浄用フィルタの掃除をした。最近の住宅は家の気密度が高いので、2時間程度で屋内の空気をすべて外気と入れ替える24時間換気システムの設置が法律で義務付けられている。外気から空気を取り入れる時、外気清浄用フィルタで外気の汚れをある程度取り除く。取扱説明書によれば、「虫や、花粉やカビの胞子などを取り除く」となっている。1ヶ月に一回ほどフィルタ(細い繊維を絡ませた厚さ1cm、幅20cm、長さ30cmほどのスポンジ状のもの)を掃除するように指示されている。我が家の場合、約1.5ヶ月でフィルタの目詰まりを示すインジケータがつく。フィルタの掃除の際に毎回驚くのは、このフィルタが汚れで真っ黒になっていることである。

 取扱説明書では虫や、花粉やカビの胞子などを取り除くとなっているが、我が家の場合、目に付くのはほとんどが真っ黒な汚れである。これは明らかに虫や、花粉やカビの胞子などではなく、人為的な空気の汚れである。それは、たとえば家庭の石油暖房機の排気、火力発電所や工場からの排気、道路交通由来の塵埃(ディーゼル自動車などの排気ガス、タイヤの磨耗塵、アスファルト道路の磨耗塵など)と予想される。
 その黒さは相当なもので、土ぼこりなどではなく煤のように真っ黒な塵埃である。中性洗剤を使ってフィルタを洗うと、水は真っ黒になる。数回、水を替えて洗わないと水の黒さが取れない。我が家は住宅地帯にあり、近くには工場はないが自宅の南と東のそれぞれ約100mに交通量の多い道路がある。

 これでは清浄な外気を取り入れているのではなく、黒い塵埃に汚された空気を取り入れていると言った方が正しい。もちろん、屋内の空気は人が呼吸で排出するCo2や壁や家具などが揮発する有機溶剤ガスなどで汚されるので、これを外に捨て酸素リッチな外気を取り入れる効果は納得はしている。
 ここで指摘したいのは外気の汚さである。フィルタがこんなに真っ黒になるのを見ると、都市の空気は健康上、相当な害毒を人に及ぼしているのではないかと言うことだ。ガソリンやディーゼル自動車の排気規制で都市の空気はきれいになったと思っていたが、実態はまだまだ汚れていることがわかる。

 子供の喘息患者が増えているし、最近は肺がんが他のガンを抜いて発症ガンのトップになったことなどを考えると、タバコの害以外にも、このような空気の汚れと関係があると考えるのが普通であろう。国は都市の空気の清浄化にもっと真剣に取り組まないといけないのではないか?
 空気清浄機のメーカも、この黒い汚れを「虫や、花粉やカビの胞子」などときれいごとで言うのではなく、実態を把握した上で黒い塵埃の清浄化の方法を再検討して欲しい(注1参照)。

 注1: 屋内循環空気用の清浄用フィルタ(網目状のもの)につく塵は、黒くはなく、白っぽい塵であるので、外気清浄用フィルタはある程度黒い塵埃の除去には成功しているが、黒い塵埃がどの程度残留しているかはわからない。

 

 名古屋市天白区に残っている緑の山が、次々と宅地になっていっている。私有地の山々からは遠からず緑は消えてゆくだろう。今ではまだ見られる野鳥も次第にその姿を消してゆくだろう。野鳥が姿を消すということは将来は人間にも住みにくい環境に変化してゆくということだ。
 ここは政治の力で緑の消失にストップをかけなければならない。名古屋市に残る広大な緑地である相生山緑地にそれを分断する貫通道路が名古屋市土木局によって作られようとしている。ここにいたってもまだ、人間は緑の本当の大切さをわかっていない。分断してしまえば、森の乾燥化が進み森の豊かさはどんどん減少してゆくことは明らかである。(写真は宅地化や道路などで侵食されつつある相生山緑地とオアシスの森)

 新任の河村たかし市長は、貫通道路の建設に反対の市民運動に鑑みて、80%程度建設の進んだ工事をあえて停止させている。英断である。市民は市長をバックアップして工事を完全中止にして森の豊かさを保存させなければならない。森を疲弊させることではなく、森をいっそう豊かにする方向に資金を投入することが、名古屋市の未来を豊かにすることにつながる。
 今、一番問題なっているのは、朝の通勤時間帯に野並交差点で発生する渋滞である。野並駅から地下鉄に乗り換える人たちが利用する市バスを時間通り運行させるために、一車線をバス専用レーンにしていることがますます渋滞をひどくしている。この交差点は東西方向だけでなく南北方向も交通量が多いので、いっそう渋滞が発生しやすい。バス専用レーンをやめれば渋滞は減少すると思われる。桜通線を野並駅から徳重まで延長する工事が進行しているので、延長線上の新駅にバスから地下鉄への乗り換え駅を振り替える事が解決になるのではないか?
 また、交通渋滞は時代の変化から予測すれば減少傾向にある。人口の減少、小型車の比率の増大、地下鉄の延長によるマイカーから地下鉄への乗り換えなどで交通量は今後減ってゆく。また、交通量の状況を看てリアルタイムに車線の本数の切り替えをするインテリジェント道路なども可能性がある。知恵の無さのために市民の貴重な財産である緑の森を傷つけてしまっては名古屋市民の恥辱ではないか?すでに投資した80%分の建設費など緑を失うことに比較したら安いものである。

 最近の日本政治のトップの二人の不安定ぶりは目に余る。鳩山首相の存在感のなさは、予想してはいたが、不安が的中してしまった。小沢幹事長の献金疑惑は彼の政治生命の終わりが近いことを予想させる。しかし、鳩山首相は小沢幹事長を政権交代の最大の貢献者として、検察の大規模介入が始まった今も、幹事長を代えるつもりは無いとあくまでもかばっている。剛腕小沢によって立っている首相に過ぎないことを自覚しているようだ。

 日本国民は政権交代を選択したのだ。その行動を無駄にしてはならない。没落への坂道を転げ落ちないように、日本の政治を正しい方向に加速しなければならない。
 「私の徒然草」で能戸清司さんが述べておられたが、民主党を選択した国民の多くは、小沢幹事長の主張する政策を支持したというより、自ら体質を変えることのできない自民党に見切りをつけたのだと思う。日本の政治を野党という立場で長い間、分析研究してきた若い議員や古い政治にしがらみの少ない議員に任せてみようと思ったのだ。小沢さんの民主党ではなく、若い民主党に政権を託してみようと思ったことが、政権交代の要因であったと思う。
 だから、民主党は日本のために首相の器ではなかった鳩山首相と、政権交代という難題を成し遂げて役目を終えた古い政治家である小沢幹事長を自信を持って引退させるべきである。その責任がある。今までの民主党の動きを見ていれば誰が力量があるかということは見えてきている。

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