民放BSテレビで放送していた西ドイツの省エネルギ対策を観た。ドイツの徹底してやる国民性が良く現れていた。特に省エネルギ住宅については感心した。
壁厚30cm、3重窓ガラスなどで、断熱・機密性を徹底し、厳寒の冬でもまったく暖房はしていず、人間の体温だけで部屋が暑くなりすぎるくらいとのことであった。一方、日本の次世代省エネ基準による省エネ住宅はまだまだ不完全である。
たとえば日本の次世代省エネルギ住宅(47.5坪、157m2、名古屋地区)では、集中冷暖房代(低電圧料金)と空気入れ替え代(機密構造のために必要)に平均月約1万円の電気代が必要である。全館空調で快適性は高まるが、エネルギ使用量は各部屋個別冷暖房の旧来の住宅とあまり変わらず、省エネルギー効果は少ない。 エネルギー使用量を減らすには次世代省エネ基準では不十分であり、断熱材の厚さを更に2倍以上にし窓ガラスを3重にするなどが必要だ。
もちろん、日本は土地が狭く、住宅使用年限も短いことを考えると、住宅に多くのお金をつぎ込むことは難しいという事情はあるが研究開発を進めて解決すべきである。寒冷なドイツとは異なり夏には高温多湿となる東南アジア特有の気候に対応できれば、住宅は東南アジアへの輸出商品となりうる。
補足: 壁や窓ガラスの断熱性能不足以外に問題点もある。たとえばガラスやドアなどの機密性能が低い。ドアのフランジの剛性不足、シールゴムのシール性能不足、引き戸のレールのシール性能不足など。空気入れ替え時の熱交換性能が60%程度で熱損失が多い。住宅業界は自動車業界の部品技術を参考にすべきである。
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