私もかっては日本の将来のエネルギー源として、原子力発電がCo2削減の観点からも望ましいと考えていた。危険性はあるが、人類は技術によってそれを封じ込めることができるだろうと思っていた。しかし、今回の事故で考えを変えた。
原子力発電所は事故の頻度は低いかもしれないが、一度事故が起こった時の被害や住民を不幸にするレベルが大きすぎることが身にしみてわかった。要するに「素性の悪い技術(注1)」であった。
注1:目的を実現するのが不可能な技術ではないが、無理がある技術。別な技術に変えるか、または目的自体を別のもに変えて問題を解決したほうが賢い。
大事故はありえないという電力会社の従来からの主張も根拠の無いものであった。テレビで見ていると原子力発電所とは多数で長距離の複雑なパイプ群から成り立っている巨大プラントであった。もっと単純かなと思っていた期待が裏切られた。先日、浜岡原子力発電所で5号機の冷温停止の際に起こった熱交換器の400トンもの炉心冷却水漏れなどが、1年ほど前に十分?検査したにもかかわらずあっさりと起きてしまう。これから類推すると、他の原子力発電所でも、同レベルの事故が今後、次々と起こる可能性は相当高いと思わざるを得ない。
中国大陸で事故が起これば放射性物質が黄砂のように日本全土に降り注ぎ日本で農作物は生産できなくなるだろうし、台湾の原子力発電所の放射性廃棄物が置かれている蘭嶼島が津波に襲われれば、大量の放射性物質が黒潮に乗って日本の海岸に流れてきて、日本では漁業ができなくなってしまうだろう。
石綿やタイオキシンが使用禁止になったように、原子力も使用禁止にしなくてはならない技術であることがわかった。
コメントする