事故は収斂にほど遠い状況にあるように思える。高レベル放射能の排出、原子炉の爆発の可能性はなくなっていない。緊張が続く毎日のため、東電は先のことなど考える余裕がないのだろう。納得のできる収斂シナリオは発表されていない。セシウム除去システムがうまく稼働したとしても、また冷却システムがうまく作動したとしても、いったい何時まで冷却するつもりなのか?残っている燃料は膨大らしいから、この先100年くらい冷却をし続けるのだろうか?それは現実的ではない。
京都大学の原子力関連の教授がテレビで話していた通り、結局はチェルノブイリと同じようにコンクリートの石棺を作って、100年くらい?放置するしかないのかもしれない。その際、原子炉の周りに石棺を作るための鉄骨からなる枠組みを作らねばならない。高レベルの放射線が飛び交う中で誰がその作業をやるのか?
高齢の作業員を動員して決死隊を構成してやるしかないなどと言っているが、そんな残酷なことが許されるのか?やはり技術立国の日本らしく、遠隔操縦で組み立ててゆく建設機械を開発しなければならない。宇宙では米国がロボットを使って構造物を組み立てる研究を続けている。それが参考になるのではないか?
日本には高さ600m以上のスカイツリーを作れる技術がある。建築技術者、ロボット技術者の出番である。日本の技術力をもってすれば必ずできると思う。国民も応援するだろう。
2011年6月アーカイブ
小沢議員を放置してはいけない。いくら民主党の政権獲得に貢献したとはいえ、これだけ、日本の政治を混乱に導き、または今後も混乱に巻き込む可能性の高い議員を放置してはいけない。日本はその政治手法(金権政治、政治の私物化)を封印し、天を畏れる正道の政治に進まなければならない。国民は学んだのではないか?
マスコミ、自民党、野党の一部が菅さんを無能呼ばわりしているが、これはやはり保守政治とそれを糾弾する民主政治との戦いなのだと分かった。菅さんはたたき上げの反自民の政治家で、それを知っている自民党が危険視してつぶしにかかっているというのが問題の本質ではないのか。菅さんの能力がないとか難癖をつけているが、本質はそんなところにない。
菅さんの能力がないとして自民党が例に挙げる具体例は、我々はいくら聞いてもさっぱり理解できない。理解できないはずである。言い草に過ぎないからだ。
いや、自民党は菅さんの能力が逆に怖いのだ。自民党の異常なまでの非難は以上のことを考えると理解できる。
東京電力の例に代表される政官財の閉鎖的なシステムで甘い汁を吸ってきた官僚、自民党が、それを倒そうとしている菅首相を攻めているのだ。この本質を見失ってはならない。
八ッ場ダム工事の中止、諫早湾開門、発送電分離、TPP参加検討など新しい政策を次々と打ち上げてきた民主党菅政権への反発が根底にあるのではないか?
菅首相の独走的政治手法が反発を招いているという側面もあるが、日本が新しく変わってゆくためには、やはり菅さんのような改革者を簡単につぶしてよいとは思えない。
菅首相の不信任決議がきわどいところで否決された。裏の事情は良くわからないが、小沢、鳩山両氏の生き残り戦略がこのような結果を生んだのではないか?不信任案が可決されれば、小沢氏も鳩山氏も党員資格を剥奪され、自民党にも相手にされない小党になる。両氏はそれを避けて存在感を維持できたと思って、ほくそ笑んでいるのかもしれない。しかし、国民は両氏の影響力が失われてきていることを実感した。
一番ほっとしているのは、両氏のグループに属する議員の面々であろう。両氏の行動に大儀がないことを一番わかっているのは彼らに違いない。これからは小沢、鳩山の両氏はその存在感が急激に薄れてしてゆくだろう。この議員グループにも新しいリーダが現れてまともな政策集団に育ってゆくことが望まれる。
菅首相は大変な時期に失敗も成功も経験し、成長していると感じる。自民党は菅首相を政権にへばりついているというが、彼の過去の経歴、実績、信念などを振り返れば、そんなつまらない人間ではないことはすぐにわかる。小沢、鳩山と同列にしては菅さんがかわいそうだ。志ははるかに高く、まともである。
事態は急変したが、これからの菅さんの仕事は大震災からの復興を軌道に乗せることと、次世代の政治家にバトンを渡すことだ。古い自民党の政策はこれから日本が立ち上がるには適さない。21世紀に日本を輝かすには新しい酒と皮袋がいる。志の高い人材が誰であるか、今回の試練を通じてわかってきたはずだ。
小沢氏はどこまで政治を私物化するつもりなのか?混乱を作ることでしか生きられない人間のためにどこまで国民は振り回されなければならないのか?
民主党内が一致協力すれば、自民党などが提出した首相の不信任決議はたやすく否決できるのに、小沢氏が野党に協力するために、国政は不条理な混乱に落とし込まれ、国民は苦しむ。財源がないためにバラマキ的政策を自粛した首相をマニフェスト違反と責める。小沢氏が首相になったら国の財政は確実に崩壊する。
鳩山氏の主張も理解できない。
菅首相が刑事訴追された議員を民主党から離脱させたのは、当たり前のことではないのか?それを鳩山氏は非難し、それを決断した菅首相に不信任を突きつける行動も、まったくもって不可解だ。もっとまともな理性的な思考ができないのか?
この二人の不可思議な主張についてゆく民主党の議員がいるのも不可思議だ。よほど頭の悪い人たちが何かの間違いで選ばれてしまったのだろう。国民にも大いに責任がある。