コンパクトデジカメと背景のぼかし

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 コンパクトデジカメでは対象物の背景をぼかすことがなかなか難しい。ボケの度合いは他の撮影条件が同じならばレンズの焦点距離に比例する(注1参照)。コンパクトデジカメではデジテル一眼レフカメラに比較すると焦点距離が数分の1と短いために、ボケの程度は数分に1になる。焦点距離が短くなったのに比例して望遠レンズが小型化できた結果、FZ10のような超望遠・小型軽量カメラがでできたわけだから、この特徴を優先するならボカシ能力の低下はやむをえない。
 背景のボカシは対象を正確に写すというよりも芸術的な表現を豊にするものだ。たとえばポートレートで背景をぼかして人物の印象を高めることができる。これを期待したい人はデジテル1眼レフカメラを買った方が良い。

 写真:FZ10でも撮影条件を選べば、この程度のボカシは可能。

注1:マッド・サイエンティスト研究所
  http://village.infoweb.ne.jp/~anoda/space/mlab18/mlab18.htm 参照
  ボケの度合いはレンズの有効口径(=焦点距離÷開放絞りのF値)に比例する。よって、開放絞りのF値が同じならばボケの度合いは焦点距離に比例する。
 デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジカメとで同じ被写体を同じサイズで撮った場合を例にとって背景のボケの程度を考えてみよう。ただし、両者の解放絞り値Fは同じとする。デジタル一眼レフカメラとコンパクトデジカメの焦点距離の比をr(>1)とすると、
  1)コンパクトデジカメの開放絞り値をF/rにすればデジタル一眼レフカメラと同じボケが得られるはずである(実際にはそんなことは不可能)。 
  2)または、逆に、コンパクトデジカメではデジタル一眼レフカメラをr*Fまで絞った場合と同じ程度のボケ度合いしか得られない。
  ということが言える。

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このページは、essahoiが2004年5月18日 17:32に書いたブログ記事です。

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