2006年7月アーカイブ

サルスベリが満開

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 今年は多雨の梅雨だったせいか、庭のサルスベリがやたらに元気が良い。毎年、花が終わると新枝を殆ど切り取ってしまうのだが、それでも次の夏を目掛けていっせいに新枝が出てくる。

 16日には鳩ヶ湯から三ノ峰(2128m)経由で別山(2399.4m)に登る予定であったが、大雨のために登山道が通行禁止になってしまった。またの登山を期して帰ることにする。岐路の途中で永平寺、さかな街(敦賀市、昼食)、甘棠園(かんとうえん)を観光。

写真:雨の永平寺

写真:甘棠園でみたヤマモモの巨木
・敦賀市指定天然記念物
    樹 種  ヤマモモ(ヤマモモ科)
    幹周り  2.2 m
    樹 高  約14 m
    樹 齢  約300年
 国道27号線沿いにある柴田氏庭園(=甘棠園)は、元禄初年(1688)豪農・柴田権右衛門が築庭した。現在も柴田氏の子孫が所有していると思われる。300百年前に建てられた(?)建物は壊れかかっており、屋根にシートが被せてあるような状態だが、樹齢300年のヤマモモは手入れが行き届いて生き生きとしていた。


写真:敦賀市郊外にある「さかな街」
 「さかな街」を作った趣旨はおそらく、「豊かな日本海の幸を観光客に味わってもらう」ことだったと思うが、現実には日本海では魚はほとんど捕れなくなってしまっているらしい。近海で取れた魚は地元の人々が食べてしまう位しか量がない。売っている魚は日本海とは関係のない遠洋物がほとんどではないのか。筆者が買ったさかな街で有名な「焼きさば」は近海物ではなくスウェーデン産であった。きびしい現実を見せられて他の商品を買う意欲もうせてしまった。

 赤兎山から鳩ヶ湯鉱泉への下りは樹齢200年クラスのブナの大原生林の中を通る。丁度、大雨が降ってきたので、幸運(?)にもブナの大木の幹を流れ下る帯状の雨水の流れ(樹幹流)を初めて見ることができた。その流れは非常に壮観であった。まさに幹の表皮上の川である。ブナの樹は葉に降り注いだ雨水を集めて、根元に貯める特性がある。葉の形、枝の形、幹の表皮の滑らかさなどが雨水を集めるのに最適な特性を持っている。樹幹を伝わって流れてきた水は、ブナの根元で地中に吸い込まれ、地表を流れる水は見えない。積もった有機物を多量に含む土壌は大量の水分をため込むことができる。ブナのダムといわれる由縁である。
 ブナの樹を200年計画で山に植林すればコンクリート製のダムを作らなくても、年中豊かな清流を得ることができるのではないか?21世紀の国土造りは自然の英知をうまく利用することを基本に据えるべきと思う。この方がより先端的な高い科学技術を必要とするからこそ21世紀的な手法となる。

 赤兎山(あかうさぎやま、標高1629m)は白山展望と豊富な山の花が特徴である。名古屋市から名古屋高速-名神一宮-東海北陸道白鳥IC-国道158号線-国道157号線-福井県勝山市-小原口-林道-赤兎・大長山登山口(920m)までマイクロバスで移動。11時40分頃登山開始。小雨が降ったり止んだりの天候となったが、道沿いにある夏の花を探しながら登る。頂上での視界は悪く、明日登る予定の別山は見えない。赤池湿原へ行く途中で雨足が強くなり、引き返す。ニッコウキスゲやササユリが豊富に咲いていた。13時30分に下山開始。鳩ヶ湯コースで、東南側にある「たんどう谷」の入り口にある「鳩ヶ湯」鉱泉(538m)へ下りる。大規模なブナの原生林を通る長い道である。沢の水が増水しており、特に二つ目の沢渡りには難渋した。また、二つ目の沢渡りの後の急傾斜面をトラバースする登山道が消失しかかっており、雨で滑りやすく危険であった。鳩ヶ湯鉱泉の林道に出たときには18時を回っていた。

 (参考1:鳩ヶ湯の湯は胃腸に良いらしい、料理は山の幸が大変おいしかった。)
 (参考2:梅雨前線の影響で、16日は石川、福井、岐阜県などで24時間雨量が数10mmになった。)

写真:頂上


 生憎の雨でかつ、カメラをゆっくりと構える時間もなく、花の写真は1枚もとれず。やはり、登山と山の花の撮影は両立しないか。出会った花は、登り口から順に、ヤマアジサイ(ユキノシタ科、アジサイ属、ガクアジサイに似る、白、紫、ピンクなど)、ホオノキの花(モクレン科モクレン属、タイザンボクの花に似る)、ギンリョウソウ(イチャクソウ科、ギンリョウソウ属),ゴゼンタチバナ(ミズキ科、ゴゼンタチバナ属)、オオバキボウシ(ユリ科、キボウシ属)、マイズルソウ(ユリ科マイズルソウ属)、その他。頂上ではニッコウキズゲ(ゼンテイカ、ユリ科ワスレグサ属)、ササユリ(ユリ科、ユリ属)。赤兎山から鳩ヶ湯への下りで、タマガワホトトギス(ユリ科ホトトギス属)、ツバメオモト(ユリ科、ツバメオモト属)。
 その他、筆者は認識できなかったが、オオシラビソ(マツ科、モミ族)、マルバマンサク(マンサク科、マンサク属)、オオカメノキなどを見かけたとの報告があった。

写真:ササユリ、雨で写真が撮れなかったのでhttp://www.geocities.co.jp/HeartLand-Hanamizuki/4556/sasayuri.htmサイトから写真を引用させていただきました。名前は良く聞くがなかなかお目にかかれず、今回赤兎山頂上で数多く見ることができ感激。ピンクの色が印象的な可憐な花である。葉が笹に似ていることからこの名前が付けられたとのこと。環境変化に弱いらしく、次第に数が減少しているそうである。


写真:タマガワホトトギス
 鳩ヶ湯温泉への下山途中で2株見かけた(岡本志保子さん撮影)。

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