2006年10月アーカイブ


 夕方にオアシスの森(名古屋市天白区)を散歩していたら、アキノキリンソウがあちらこちらに咲いているのを発見。まさか大都会の真ん中の森で咲いているとは思いもしなかったので大感激。環境が改善してきているのだろうか?オアシスの森も山地なのだから、もっと幾種類もの花が咲いていてもおかしくは無い。期待が持てる。


写真:オアシスの森で咲いていたアキノキリンソウ(キク科の多年草)
 アキノキリンソウは本来、山地のような貧栄養で乾燥した土地に生育する。雑木林の周辺で日当たりのよいところで見られる。




写真:登山口近くに多い黄葉したカラマツ(14時27分)(カメラはケイタイSH506iC)

登り口に近くまで下りてくると、カラマツのすばらしい黄葉が迎えてくれた。



写真:蓼科山登山道入り口で(15時08分) 。(カメラはPanasonic DMC-FZ10)

樹高3mくらいのマユミの花が満開であった。(ニシキギ科、ニシキギ属)
開花期は5~6月であるが、狂い咲きか?


蓼科山へ登山

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 10月15日に蓼科山(2530m)に登った。バスでビーナスラインを走り女神茶屋蓼科山登山道入口(1720m)まで送ってもらった。標高差810m。登山口辺りは黄葉が盛りで大変に美しい。。旅館を朝遅く出たので登山開始がAM8時になってしまった。

  写真:蓼科山登山口付近

 女神茶屋からの登山道は複数ある登山道の中でも、一気に登るので一番きついらしい。頂上までの標高差は810mであり、殆ど直登である。カラマツの林を抜けると、植生はシラカバ、ダケカンバ、コメツガに変わる。この辺りから岩がごろごろした道になり、ストックはかえって邪魔になる。登りにくい道であった。

 蓼科山は深田久弥によれば「円錐形状に更に円錐丘を戴いた複火山」であり、円錐丘は大きいもので体長ほどもある大岩が数知れず積み重なった山である。頂上に上がってみると、下の写真1、9、10で分かるように、そこは唖然とするような数の岩に埋め尽くされた円形広場(直径約100m)で、中央が少し沈んでいて土の地面は見当たらない。自然にはいつも驚かされる。人の創造を越えているところが新鮮だ。
 360度の展望があり、雲も少なく遠くに北アルプス、御嶽山、中央アルプスなどがよく見える。また近くには八ヶ岳連峰が迫力を持って迫っている。諏訪盆地に下りてゆく長い裾野が大変優雅だ。しかし、南アルプスは生憎雲の中だ。今日は望遠カメラ(Panasonic FZ10)を持ってきたので急いで写真を撮った。


 北アルプスが遠くに見えるが肉眼ではなかなか山姿を判別しにくい。

写真1:北アルプス連山(12時17分、右からから左へ、白馬岳、鹿島槍岳、剣岳、針ノ木岳、立山・雄山など)


 カメラでズームアップすると山姿が明らかになってくる。白馬岳から甲武信岳まで反時計方向にカメラをずらしながら撮影した。山名はカシミール3D(ソフトウエア)を使って蓼科山山頂からの展望図を作り、写真と比較して判定した。

 

写真2:白馬三山(12時07分、鎧ケ岳、杓子岳、白馬岳)など

白馬三山は先日(7から8日)のブリザードで全面冠雪している。他の山々はまだまだら模様程度だ。



写真3:五竜岳から蓮華岳まで(12時08分、鹿島槍ケ岳など)



写真4:剣岳や立山・雄山(12時08分)



写真5:剣岳や立山・雄山をさらにズームアップ(12時08分)



写真6:野口五郎岳から槍ケ岳まで(12時08分)

 槍ケ岳辺りまで内陸に入ってくるとまだ山に雪はない。



写真7:常念岳から西穂高岳まで(12時08分)



写真8:乗鞍岳と鉢盛山(12時17分)

 西の方角には乗鞍岳が見える。ズームアップしたら雄大な山姿が見えた。乗鞍岳の左下には木曽川の源流の鉢盛山が見えている。



写真9:御嶽山と経ケ岳(12時16分)

 さらに西南にカメラを向けると御嶽山や経ケ岳のシルエットが雲の上に見える。



写真10:木曾駒ケ岳、南駒ケ岳(12時16分)

 さらに南へカメラを振ると中央アルプスの木曽駒ケ岳や南駒ケ岳が見える。



写真11:南八ヶ岳(12時02分)

 さらに南へカメラを振ると、南アルプスの山々が見えるはずであるが、雲に隠れて見えない。残念。カメラを南からわずかに東方向へ振ると、近くの南八ヶ岳連峰が視界に飛び込んでくる。山裾が緩やかに諏訪盆地へと流れてゆく。



写真12:甲武信岳など(12時02分)

 南東にカメラを振ると、甲武信岳(こぶしだけ)などが見えてくる。甲武信岳は日本百名山の一つ。甲斐、武蔵、信州の国の境にある山の意味でつけられた名前との説がある。


 風が強くじっとしていると寒い。バスの迎えの時間までに登山口に下りなければならないので、昼食をあわただしく摂って直ちに下山する。再び岩の上を下りてゆく。ストックはザックに仕舞って、両手を使って下りる。

 今回はズームカメラを持っていったので、たくさんの山姿を確認記録することができた。南アルプスを撮れなかったのは残念だが、また別の山から撮影する楽しみができた。

 9日は昨日までの暴風雨が嘘のように朝から快晴であった。蓮華温泉ロッジから見える小蓮華岳の山頂は雪で真っ白だ。白馬大池では初雪程度の積雪と予想されたので、白馬大池(2380m、蓮華温泉からの標高差905m)まで登ることにした。AM6時に出発。
 植生はカラマツやシラビソが多く、天狗の庭を過ぎて高度が上がるにつれてカラマツは黄葉してくる。枝が垂れ下がったカラマツの老木も見られる。天狗の庭(2093m)を越えてしばらくすると、登山道に雪が見え始めた。白馬大池に近づくにつれて雪は多くなったが、「庭の雪」程度だ。途中で幅30cm程度の崖の道をトラバースするところに雪が積もっていて、一瞬怖く感じたが、雪はやわらかくすべることは無かった。山側の草を掴んで渡りきった。 白馬大池にでると、一面の銀世界だった。積雪は10cm程度と思われる。

写真:白馬大池(AM9時過ぎ)(鈴木浩さん撮影)

 白馬大池にあった小屋は閉鎖されていて入れない。凍った屋根の雪が溶け出して、大きな音を立てて滑り落ちている。冠雪した山々の美しさに思わず声を上げてしまった。この数日は雪女として表現されている雪の怖さと美しさを身近に感じた日々であった。

写真:白馬大池2(バックは小蓮華岳)、樹氷も見える。(鈴木浩さん撮影)

 登りはゆっくり登ったので、3時間強(蓮華温泉ロッジ標準時間2時間50分)費やしてしまった。下山は標準の速度で、約2時間弱(標準時間2時間)で下りた。登山道の雪も大方消えていて歩きやすくなっていた。途中天狗の庭で20分ほど小休止。少し開けた斜面に立派な庭があった。天狗が作ったに違いないと思うほど形のよい樹と石がバランスよく並んでいる。振り返ると真っ白く冠雪した小蓮華岳(2769m)や三国境(2751m)が目に飛び込んできた。

写真:冠雪した小蓮華岳と三国境(天狗の庭から撮影)(鈴木浩さん撮影)

 12時過ぎに蓮華温泉に帰着した。小屋前から見ると、朝日岳(2418m)はまだらに冠雪、雪蔵岳(2610m)は全面冠雪のように見える。午後1時過ぎにはそろそろ始まっている紅葉を見ながら、多くのハイキング客でにぎわう蓮華温泉を後にした。

 写真:蓮華温泉から見た朝日岳と雪蔵岳、小屋周りの紅葉(PM1時過ぎ)

 10月7日に蓮華温泉(1475m)に入り、8日には蓮華温泉→鉱山道路→三国峠→白馬岳→三国峠→白馬大池→蓮華温泉のコースで山行し、9日に帰宅する予定であった。しかし、8日は強雨と強風のために山行を断念し、その代わり強雨強風下ではあったが蓮華温泉周辺にある自然観察コースを歩いて兵馬の平(標高1300~1400m)などの湿原めぐりをした。明日の天候回復を期待する。

 参考:7日には、春日井JR駅駐車場(AM8時)→中央道・長野道→豊科IC→白馬→平岩→蓮華温泉(PM4時)のルートを通って小型バスで移動。昼過ぎには148号線で小雨が降り出し、平岩から林道に入ると沢は濁流でいっぱいであった。山では強雨が降っていると思われた。
 不幸なことに7日の夕方に白馬の稜線で女性4名が吹雪にあって遭難(凍死)した。1500mの蓮華温泉では雨であったが3000m近い稜線ではブリザードであったらしい。山の天候の変化の激しさに直面して言葉も無い。遭難者のご冥福を祈る。


写真:蓮華温泉(鈴木浩さん撮影)
  (感謝:小生が持参したカメラがトラぶったので、今回の山行記録には鈴木浩さんの写真を掲載させていただいた。)

 強雨強風の中でのハイキングであったがあまり寒くはない。紅葉が始まってはいるがまだ少し早いようだ。数多くの流れが湿原に流れ込んでいるが、強雨にも関らず流水は透明で濁っていない。このような自然の仕組みが湿原を豊かに維持しているのだと感心した。一方、木道は雨にぬれて滑りやすく、丸木の橋の上で滑って臀部をしたたか打ってしまった。雨の日の木道は危険がいっぱいだ。幸い怪我は無かったが、自らのバランス能力の不完全さを深く反省。山に登りたかったら足の筋力を鍛えてバランス能力を高めないといけない。山は自己責任の世界だから。

写真:兵馬の平での紅葉(鈴木浩さん撮影)

 瀬戸川には多くの沢から白く波立った流れが下っている。強雨が降らなければこのような流れは見られないだろう。はじめての経験で、印象的だった。

写真:沢から瀬戸川へ落ちる流れ(鈴木浩さん撮影)

 

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