人間型ロボットを研究対象にすることも日本の経営者の決断であったが、ソニーの場合は挫折したわけだ。今後、ホンダ、トヨタはどう出るか?
一般の人(しばしば、研究者も経営者も)は人間型のロボットが歩いたり話したりすると、ロボットが完成に近いと思ってしまうが、そうではなく、二足歩行機械や話し言葉の発生器ができたに過ぎないことが理解できなくて、だまされてしまうのだ。産業用ロボットの父(Father of Robotics)と呼ばれ、ユニメートという産業用ロボットの設計者であり、産業用ロボットを始めて商業的に成功させたJoseph Engelberger氏が人間型ロボットの最大の批判者であるということも一般の人々は知らない(参考:梅谷陽二、ロボットの研究者は現代のからくり師か、p.102)。人間型ロボットの研究者はそれが役に立つ姿を世に提案し、評価を受けてほしい。役に立たないロボットは淘汰されてしまうのだ。これが現実である。役に立ってこそ、研究資金が提供されロボットが進化してゆくという原理を忘れてはならない。
マウンターと呼ばれる機械がある。これは電子部品を人の数十倍の速さで基盤に組みつけてゆく機械であるが、これはコンピュータや情報家電を大きく進化させた立役者といっても言いすぎでない。これがロボットであることに多くの人は気がつかない。人間の形をしていないからだ。しかし、その生産額は日本のロボット生産額の半分ほどを占めているのいるのである。
写真は日立ハイテク製の高速チップマウンター
(日立ハイテク社のホームページから引用)
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