トヨタ自動車ではホワイトボデー組み立てのためのスポット溶接設備としてユニメート2000(Unimate2000)が使われ始めていた。ボデー組み立て工場へ行くと、多数の屈強な男子工員が天井から吊るされた大型のスポット溶接ガンを操ってホワイトボデーの溶接を行っている脇で、溶接ガンをアームの先に取り付けた数台のユニメート2000が溶接を行っていた。数年後(1979年)に米国でのロボット利用状況を見学に行ったときには、アルミダイキャストの取り出しにも使われていた。アルミダイキャストの離形剤でどろどろになったユニメートがダイキャストマシンの横で腕を振り回していた。このような様子を見て、産業用ロボットは危険で汚くきつい作業を人間の代わりにやってくれる機械だと感じた。
このような機械の必要性をイメージしてそれを現実化したアメリカ人の発明魂と理工学的能力の高さに感動したことを覚えている。ただし、トヨタ自動車がユニメートを導入した当時では、この機械の信頼性はまだ低くMTBF(トラブルなしで持続できる運転時間の平均)は500時間程度であり、とても実用的とはいえなかった(注1)。トヨタ自動車などのボデーメーカがロボットメーカ(ユニメートの日本製造メーカ)と協力して改良を重ね現在MTBFは10万時間程度になっている。
注1:たとえば、200台のロボットを使う場合、MTBF=10万時間では500時間に1台が故障することになる。
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