GMが1980年ごろに内製した7軸の油圧駆動型塗装専用ロボット。Digital Equipment PDP 11/34コンピュータ(16ビット演算)で数値制御されていた。手先にある塗装ガンに塗料を供給する配管がアームの中に組み込まれており、外部に露出しないすっきりとした構造が特徴的であった。
塗装ガンが曲線軌跡上を滑らかに移動できる軌跡制御や教示をオフラインでする、いわゆるオフラインティーチングなどが採用されており、自動車メーカの理想を追求した先進的なロボットであった。GMが自ら生産用のロボットを製造したことは、NC Painterが最初で最後であったが、GMの産業用ロボット利用への熱心さは世界の生産技術者たちを刺激し、その後、産業用ロボット利用研究が世界的に大いに進展した。しかし、ロボットのような高度な機械を信頼性高く製造し、性能を維持することは困難を極めた。工場の生産設備としてのロボットに要求される信頼性のレベルは短期の開発期間で達成できるレベルのものではない。NC Painter以降、GMはロボット開発と製造を専門ロボットメーカに任せることになる。
写真:2台のNC Painterが塗装ブースの中で、コンベアラインの両側に配置されている。ロボットは車のボデーの移動に追従して移動しながら塗装作業をする。(参照:The Industrial Robot Dec. 1981,Assembly and machine loading will dominate General Motors robotics programme)
写真:NC painterは6個の回転軸と1個の直線移動軸(コンベアへ追従)を持つ。
コメントする