PUMAの原型であるVicArmの設計者であるVicter Sheinmanが協同出資者となって1980年に設立したAutomation機器の製造販売会社がAutomatix社である。主要な製品はAutovisionというMachine Vision Systemとそれを組み込んだロボットシステム(例:視覚補正機能を持ったアーク溶接ロボット)などであった。Railというスクリプト言語を持っており、画像認識プログラムをユーザが書くことができた(注1)。Autovisionは当時の価格で1500万円もする高価な製品であった。
写真:Autovisionを使った部品組み付けロボット
部品認識用のビジョンシステムはロボットを凌駕する大きな市場を創出するかと思われたが、極言すればリミットスイッチなどのセンサと同程度の役目しか果たせていないので、ロボットに比べても小さな市場規模しか形成できていない。Autovision程度の性能の製品ならば、現在では20万円以下で売られているのではないか。
注1:
Autovisionはモトローラ社製の16ビットマイクロプロセッサを使った最初の製品の一つだったらしい。当時は68000用のソフトは何も無く、オペレーティングシステムや、スクリプト言語などもすべてAutomatix社の創業者たちが作った。Rail言語なども大変の洗練されていて使いやすかった。当時のソフトウェア技術者たちはロボット技術に夢を託していた。丁度、現在、ソフトウエア技術者がインターネット関連技術に夢を託しているように。
ビジョンソフトウエアはスタンフォード大学の近くにあった(スタンフォード大学から独立した研究機関の)SRI(Stanford Research Institute of Technology Inc))のライセンスを得て使用した。SRIはCCDカメラを使って部品を認識する現実的なアルゴリズムを開発し、Vision Module という製品名で販売していた。このアルゴリズムは現在の工場用視覚システムのベースになっている。
写真:SRI製 Vision Module
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