ロボットによる組み立て作業手順が、Archimedesのようなソフトで自動生成されたとしても、そのままで組立て作業が成功することは難しいだろう。実際の部品、ツール、冶工具などの寸法とCAD図面寸法との間に誤差があるからである。そこで、実際には組み付けを成功させるために、たとえば
1)組みつけ方を工夫する:
たとえば嵌め合い動作が成功しやすい姿勢や移動軌跡に変更する。人間が穴に棒を挿入する場合には、棒を斜めに穴に差し込んでから押し込みながらまっすぐに戻すような手順をとる。これをロボット動作にも応用する。
2)ツールまたはアームの制御を工夫する:
ツールを使う良く知られた例としてはRCC(Remote Center Compliance)デバイスを使って、精密嵌め合いを可能にする。ただし、RCCは実際の現場であまり使われていないのではないか。それよりも、作業ごとに個別のコンプライアンス機構を用意する場合が多いのではないか。その他には、コンプライアンスツールを使わないで、ロボットアーム自体をフローティング(=接触外力によってアームが逃げる)させる方法がある。アーム駆動モータ電流の上限値を(静止時の)現在の電流値に制限することで、精度はあまり高くは無いが、比較的簡単に実現できる。これはスカラ型ロボットなどで水平回転方向の軸の位置サーボに適用されることが多い。
3)力覚センサや視覚センサを利用する:
センサを使って寸法誤差を補正する動作をさせる。
これらは組立てをする際のスキル動作というべきものであり、組立ての手順計画(Archimedesなど)にスキルソフトウエアを適切に組み合わせるソフトウエアが完成しないと、組立て計画手順発生ソフトウェアだけでは、生産準備の短縮化は完成しない。ここまでやった実例はまだないと思われる。
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