Rethink Robotics社の単腕7軸、co-robotのSawyerが、フィールドテストをおえて、最近発売になった。同社の双腕co-robotのBaxterとは異なり、減速機にハーモニックドライブを使い、位置や速度の精度が上がったようだ。位置の再現精度が0.1mmという記事もある。価格は$29,000で双腕のBaxterの$25,000より高い。単なる品物の搬送ではなく、Machine tendingなどの作業用のロボットとして売り出した。7軸だから、狭い場所でも器用に障害物をよけて作業ができている。安全で使いやすいco-robotとして、中小企業の生産工場で、現状の生産設備を大きく動かすことなく設置できる利点を発揮して、人気を得ることができるだろう。競争相手はユニUniversal Robot UR5($28,000)であろう。
ただし、電子機器や電気機械(スマートフォン、カメラなど)のような0.1mm以下の位置精度で、高加減速度での位置決めを必要とするような組み立て作業への適用は、構造上難しいだろう。位置決めに時間がかかりそうである。手先に設置したカメラで位置補正するにしても、補正のための時間が許容の範囲内には収まらないだろう。
Sawyerに期待したいのは、人工知能をどのように使ってロボットの使用範囲を広げるか、という点である。Rethink Robotics社のCTOであるBrooksはBaxterやSawyerのOSにROSを使ったAcademic版を作って、ロボットのインテリジェンスの研究をさせている。ROS上に蓄積された数多くのアプリケーションソフトウェア財産を巧みに使って、従来の産業用ロボットにはなかった新しい機能を見せてくれることを期待している。
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