co-robotの限界と残された問題

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 今までこのブログで、ここ数年の産業用ロボット進化として注目してきたのは、いわゆるco-robotと言われる"人と共存できる産業用ロボット"の出現であった。今まで、ロボット化が進んでいなかったSME(Small and Mediam sized manufacturing)用のロボットとして、広く導入が進んでゆくだろう。

 実際に工場で使われている例を見てみると、Universal RobotのURシリーズも、Rethink RoboticsのSawyerも、NC工作機械へのマシンテンディング、二つのコンベア間の部品の搬送、パッケージングなど、単一のロボットでの作業がほとんどで、人一人に代わって狭いスペースで仕事をしている。複数台で協調して組み立て作業をしている例はWeb上では発表されていない。KUKA社のiiwaもそのような例は発表されていない。高加減速度や高位置精度(±0.02mm)が要求される組み立て作業のへの応用は、UR5やSawyerやiiwaのようなロボットには向かないようだ。

 可搬重量が500gと小さいが、YuMiは実用的な加減速度と精度(±0.02mm)を持っている。人と共存するロボットを標榜するなら、YuMiの制御方式などをもっと研究する必要がある。

 YuMiの例を見れば、現状の産業用の小型多関節ロボットのような可搬重量が数kgでも、数m/secの高速、高加減速度、高精度(±0.02~0.03mm)で、かつ低価格なco-robotは実現できるのではないか?まだまだ、研究の余地があると思われる。

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このページは、essahoiが2015年11月13日 11:50に書いたブログ記事です。

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