次の参議院選挙で民主党に過半数を与えなければ、物事はまた進まなくなるだろう。
日本の政治はこの20年間、重要な決定ができず、ずるずる問題解決を先延ばしにし、社会を困難に追い込んできた。
日本の政治を停滞から進行に切り替えるためには、民主党に勝たしてやらなくてはならないだろう。
民主党にもいろいろいやな側面が見えてきたが、国民が政権転換を選んだからには国民にも辛抱が必要だろう。国民は民主党が約束した「国民生活が第一」や「コンクリートから人へ」、「脱官僚支配」といった考え方に賛同したのだ。政権をとってしまった以上、はやく幼稚園的政党から脱皮してもらわなくてはならない。そして旧政治体制にしがらみのない新鮮な発想で日本を希望の持てる国へ再構築してくれることを国民は期待している。 その際、民主党の国民への約束を安易に変えてしまっては困る。よく見てゆく必要がある。
2010年6月アーカイブ
事務所費問題で自民・石破氏が「荒井戦略相は辞任に値する」といっている。石破さんもいい加減にしてほしいと言いたくなる。また日本の政治が空転するのか?事務所費は過去にもしばしば問題にされているが、どこまでが問題で、どこまでが許されるのかという点があいまいなのではないか?制度を見直す必要がある 仕事は続けさせるべきだ。荒井戦略相は財政の分野で有能な人材と聞いている。日本の財政破綻が目の前に迫っており、機敏に手を打ってゆかねば国民が大被害を受ける危機だというのに、議論の妨害ばかりやって政治をさせない。国民はいよいよ我慢できなくなる。
鳩山、小沢さんが退陣し、菅さんが首相になり、枝野さんが幹事長になると政権の支持率は20%から60%へ、民主党の支持率は20%台から30%台へ上昇した。それだけ古い政治手法にしがらみのない若い行政メンバーの実行力に国民は期待しているのである。
そもそも国民が自民党政権に愛想をつかして、民主党に政権を任せた理由は、自民党が小泉政権の変革以来、どんどん保守的になり解問題点の解決をどんどん先送りし、前に進むことができないでいる閉塞感に怒ったためではなかったか?
民主党になっても国がやるべきことが変わったわけではない。鳩山政権は普天間問題の改革を果敢に目指したが挫折してしまった。進め方が稚拙ではあったがこの困難な問題にあたらしい局面を作り出したことは成果である。そのほか「コンクリートから人へ」など新しい取り組みもいろいろ始めている。これらが成功するか失敗するかは現時点ではわからない。しかし、果敢に攻めているのは良いことではないか?何事も始めなければ変わらない。
失敗しつつも前に進めることが重要ではないか?国民も文句は言わせてもらうが、時には我慢をして国を変えることに協力しなければならない。
民放BSテレビで放送していた西ドイツの省エネルギ対策を観た。ドイツの徹底してやる国民性が良く現れていた。特に省エネルギ住宅については感心した。
壁厚30cm、3重窓ガラスなどで、断熱・機密性を徹底し、厳寒の冬でもまったく暖房はしていず、人間の体温だけで部屋が暑くなりすぎるくらいとのことであった。一方、日本の次世代省エネ基準による省エネ住宅はまだまだ不完全である。
たとえば日本の次世代省エネルギ住宅(47.5坪、157m2、名古屋地区)では、集中冷暖房代(低電圧料金)と空気入れ替え代(機密構造のために必要)に平均月約1万円の電気代が必要である。全館空調で快適性は高まるが、エネルギ使用量は各部屋個別冷暖房の旧来の住宅とあまり変わらず、省エネルギー効果は少ない。 エネルギー使用量を減らすには次世代省エネ基準では不十分であり、断熱材の厚さを更に2倍以上にし窓ガラスを3重にするなどが必要だ。
もちろん、日本は土地が狭く、住宅使用年限も短いことを考えると、住宅に多くのお金をつぎ込むことは難しいという事情はあるが研究開発を進めて解決すべきである。寒冷なドイツとは異なり夏には高温多湿となる東南アジア特有の気候に対応できれば、住宅は東南アジアへの輸出商品となりうる。
補足: 壁や窓ガラスの断熱性能不足以外に問題点もある。たとえばガラスやドアなどの機密性能が低い。ドアのフランジの剛性不足、シールゴムのシール性能不足、引き戸のレールのシール性能不足など。空気入れ替え時の熱交換性能が60%程度で熱損失が多い。住宅業界は自動車業界の部品技術を参考にすべきである。
菅総理大臣が誕生した。小沢元幹事長の影響から初めて独立できそうな政権が誕生しそうだ。しかし、民主党が政権を取れたのは小沢元幹事長の選挙戦略があったればこそ。菅総理大臣が本当に小沢元幹事長から独立したければ、彼の助けなしに票を集められる成果を挙げることが必要だ。彼の戦術で総理大臣になれたのだから、彼に静かにしていてほしいと言うのは無理な注文である。功績に応じたポストを与えるべきであろう。その上に立って、自らの力を高めてゆくしかない。
小沢元幹事長の選挙戦略が民主党の政策の邪魔になるのなら、選挙民がかれの戦略に乗らないことが有効だが、世の中には彼と手を組んで自分たちの立場を有利にしたいグループが居る限り、それもなかなか難しい。菅政権が安定するのはまだまだ時間がかかりそうだ。
鳩山首相と小沢幹事長が辞任することになった。民主党のためにも、日本のためにも良い判断であった。鳩山さんは総理大臣として、小沢さんは幹事長として国民の信頼を得ることはできなかったが、長年続いた自民党政権を倒して、政権交代可能な政党を作り上げた功績は歴史的に高く評価されるに違いない。
国民は民主党政権に期待した。そして、そのオープンで新鮮な政治手法に喝采を送っていることも確かだ。政治資金問題や普天間問題では国民の失望を買ったにせよ、まだ、期待感は残っている。新しい首相と幹事長の元で、民主党が理想として掲げた政治目標に向かって再出発してほしい。
世界は日本の政治のぶざまな様子に失笑しているかもしれないが、政治家も国民もいろいろ勉強した。政治への関心がかってないほど高まっている。世界に誇れる政治形態を構築してゆこうではないか?