FZ10は持っていて楽しいカメラと聞いていたが、確かにそのとおりと思う。
思っているより良い写真が撮れるのだ。その要因として考えられるのが、小型軽量で明るい超望遠レンズ(F2.8、420mm)と手振れ補正機能の組み合わせではないか?撮影対象物に十分に接近しなくても、望ましいカットが簡単に得られる。
野鳥を撮るには420mmでは不足でなので1.5倍テレコンバータを装着し合計18倍ズーム(630mm)として、明け方の池で水鳥を撮影した。一脚のスタンドを付けて撮影したが、撮影条件を選ばないと手振れ補正機能があってもぶれた写真になってしまう。要注意だ。
写真:1.5倍テレコンバータレンズ付きFZ10を一脚スタンドに取り付けた様子
プログラムAEモード、ISO感度50、露出補正ゼロで撮影して、10数枚撮影してから自宅に帰り、パソコンで結果を見たら、手振れの写真が7割ぐらいあった。カメラの液晶画面では判別し難い程度の手振れである。
撮影条件を調べてみると、F2.8、シャッター速度1/60から1/100位で撮った写真にはブレが出ている。一方、F3.3、シャッター速度1/125で撮れている写真には手ブレはない。
写真:手振れ補正が不十分な例
撮影条件 630mm、ISO感度50、F2.8、シャッター速度1/60、手振れ補正モード2
撮影日時 2004年5月7日5時56分
写真:手振れ補正が十分な例
撮影条件 630mm、ISO感度50、F3.3、シャッター速度1/125、手振れ補正モード2
撮影日時 2004年5月7日6時25分
結論として、1.5倍テレコン(630mm)でシャッター速度が1/60から1/100程度になる条件では、一脚スタンドがあっても手振れ補正機能が手振れを補正しきれない。一脚スタンドを使った場合、手振れ補正が有効なシャッター速度の下限は1/125程度と思われるので、今回、ISO感度を100から200に設定する必要があったと思われる。
FZ-10の後継機種のFZ-20が発表された。多くの改良がなされているが、私の注目点は手振れ防止の性能改善である。サーボのサンプリング周波数を約8倍にアップして、シャッター速度を一段分落とすことができたそうだ。しかし、実効的な意味では少し改善されたという程度のものであろう。物には限度があり、手振れ防止機構に過大な期待は禁物であろう。
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