情報化技術は仕事の自動化をする目的から始まった。もともとは自動化のためのツールであった。いまでも自動化のためにIT技術を使うというケースが多いと思われる。「今まで人がやっている仕事をコンピュータにやってもらう」といアプローチである。このアプローチはニーズは明確であり効果もあるが、必ず仕事を失う人が出てくる。ITは失業を生む、不景気の元凶である、などと言われることも多い。もちろん本来は仕事をリエンジニアリングして、新しく仕事を展開をする生産的な面があるのであるが、そこまで行かずに失業を生むだけのものもないとはいえない。
だから、これからのIT技術利用の取り組み方、考え方として、すでにある仕事を自動化するというスタンスではなくて、新しい仕事、効果を作るということを主目的にしなくてはならない。そのような目で身の回りを見ると、いろいろな可能性が浮かんでくる。今はまだ、コンピュータをテレビや電話のように使いこなす人が多いとはいえないので、パソコン利用を社会のインフラとして埋め込むことがなかなか難しい面もあるが、人々の生活のインフラとして埋め込まれてしまえば、世の中の問題点を解決するいろいろなアイディアが出てくる。
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