マルチメディア分野で技術進化が目立つ最たるものは薄型テレビであろう。それもFDPに集約される。液晶パネルでは遅い動画応答や低い暗所コントラスト、プラズマディスプレイでは低い明所コントラストが課題のことには変化がない。それぞれ改善は進んでいるようだが素質の悪さは如何ともしがたく、将来にわたって生き続けるFPDとは思われない。画質が良い別の原理に基づくパネルが出てくれば主役の座を降りざるを得ないだろう。もちろん、テレビのデジタル化への遷移時期にそれなりの画質の大型パネルを世の中に提供している功績を否定するものではない。SEDまたは有機ELパネルが次世代のパネルとなって登場するのは、間違いのないところだろう。
一方、100インチを越える大型パネルが登場しており、メーカの思惑は住宅の壁(居間、寝室など)に埋め込んで使用してもらうことにあるらしい。
しかし、それがユーザにとって本当にうれしいのだろうか?
確かに未来小説、映画などではそのような場面が定番になってはいるが、家中の壁にディスプレイをはめ込むわけにもゆかないだろう。部屋の使い方を固定的にしてしまう問題点がある。私個人の希望は、持ち運べてどのような平面にも映像を投影できるプロジェクションディスプレイだ。小さく見たいときには手元の平面に投影し、大きく見たいときには壁に投影する。見たい部屋に手軽に持ってゆける小型軽量のプロジェクタがほしい。最近ではレーザ光源を利用したプロジェクタがソニーから発表され期待がもてそうだ。高輝度のレーザ光が目に直接はいると障害を与えるので安全性に問題があるが、光路に目が入ってきたら直ちに出力を下げるというようなシステムが開発できれば安全性を確保できるはずである。
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