2005年12月アーカイブ

 これからの高齢化、少子化社会では、いろいろな面で従来の社会システムを変革しないと活気のない社会になってしまう。たとえば、現在は車社会であり、車を利用するという前提で町作りがされているので、高齢者にとっては住みにくい状況になっている。バスを利用したいのだが、運行時間が不正確になりやすく、バス停での待ち時間が多くなり、必ずしも快適に利用できない。運行状況がリアルタイムで表示されておれば、バスが接近したときにバス停に出かければ、タイムリーにバスを使え、快適性は増すに違いない。

 たまたま、名古屋市交通局のWebサイトを見てみたら、さすが交通システムの先進都市の名古屋市だけのことはある、そのようなシステムが「市バス接近情報システム」としてすでに運用されていた。1分毎にバスの現在位置が表示されるので、バスの接近を確認してからバス停に出かけることができる。すばらしい。欲を言えば、表示方法を改善してほしい。1分毎にページ全体が再読み込みされてしまい、その度にページをスクロールしないとバスの位置が確認できないなど、まだまだ表示方法に改良の余地がある。しかしながら、少なくともバスを使いやすくする方向で研究開発が進んでいることがわかった。このような努力がなされれば、少子・高齢化社会になっても快適に生活をおくれるかもしれない。期待が湧いてきた。

IT技術と景気

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 情報化技術は仕事の自動化をする目的から始まった。もともとは自動化のためのツールであった。いまでも自動化のためにIT技術を使うというケースが多いと思われる。「今まで人がやっている仕事をコンピュータにやってもらう」といアプローチである。このアプローチはニーズは明確であり効果もあるが、必ず仕事を失う人が出てくる。ITは失業を生む、不景気の元凶である、などと言われることも多い。もちろん本来は仕事をリエンジニアリングして、新しく仕事を展開をする生産的な面があるのであるが、そこまで行かずに失業を生むだけのものもないとはいえない。

 だから、これからのIT技術利用の取り組み方、考え方として、すでにある仕事を自動化するというスタンスではなくて、新しい仕事、効果を作るということを主目的にしなくてはならない。そのような目で身の回りを見ると、いろいろな可能性が浮かんでくる。今はまだ、コンピュータをテレビや電話のように使いこなす人が多いとはいえないので、パソコン利用を社会のインフラとして埋め込むことがなかなか難しい面もあるが、人々の生活のインフラとして埋め込まれてしまえば、世の中の問題点を解決するいろいろなアイディアが出てくる。

 私の住んでいる天白区島田一つ山周辺は40年-30年前に宅地造成が進んだ地域で、当時、家を建てた若者が今はもう現役を終えはじめている。商店が少なくなり、医院や介護施設が増えている。5年後に相生山に地下鉄の駅ができるということもあって、最近は老人が住んでいた跡に若者が家を建て始めている。この地域が今後どのように発展してゆくか興味深い。

 21世紀での地域社会を活性化させてゆく重要な道具に情報化技術がある。大きな工場や敷地は要らない。地域から発信できる何かがあれば地域は活性化してゆく。その何かが見つかればすばらしいが、そのためにはまず地域から発信する能力をつけねばならない。

 現在まで、自動車産業と電機産業が2本柱となって日本を支えてきた。ところが、電機業界の国際競争力が下がっているらしい(エコノミスト12/13,2005)。デジタル家電の新商品がすぐに値崩れしてしまい企業の体力が消耗している。商品の流通機構に問題がありそうだ。
 電機産業は過去10年以上にわたって、情報通信分野での未来商品の研究を続けてきた。それらは21世紀の日本を支える技術として、2010年には120兆円の産業に育つことが期待されていた。その結果、いろいろな技術や商品がが生まれてきている。ところが現状はビジネス的には大変苦戦をしているらしい。あたらしい商品を生み出すには苦労はつき物である。われわれコンシューマも厳しいが暖かいユーザとして商品の育成に協力してゆかねばならない。

 マルチメディア情報処理が中心技術となるデジタル家電は、その技術が、将来のロボット産業技術と共通する部分が多い。CG、画像処理、ヒューマンインターフェース、通信技術などはマルチメディア分野で開発された技術が役に立つ。日本の電機業界の頑張りに期待したい。たとえば、ソニーの「Cell」コンピュータやそのソフトウェアなどはロボット制御用コンピュータとしても大いに期待できるのではないか。

考えれば変な状況

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 最近、私には、人類社会はいったい何をやっているのかという思いが強い。特に、経済活動において、携帯電話やi-tunesのような音楽プレイヤーや半導体に世界中の半導体メーカが何千億円、何兆円という投資競争をしている。この分野での経済戦争に負けたらその国が衰退するような表現が雑誌などに書かれている。携帯電話がそれほど人類にとって重要なものなのか?という疑問がある。クリーンなエネルギ開発に同じだけの資金をかけるほうが、人類にとってはずっと有益だと思うのだが。

 しかし、経済活動というのは所詮そのようなものかもしれない。
 かっては、胡椒がベネチアという中世で最も栄えた都市国家を作り出したように、またそれがルネッサンスという人間復興を人類にもたらしたように、一見つまらないものが、案外人類の明日を左右するものになるのかもしれない。

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