2006年8月アーカイブ

 昼食後、再び森に入る。見かけた野草の花々は、

写真:カワラナデシコ(13時46分)、ナデシコ科ナデシコ属、雑草が繁茂し雑草の中に埋もれてしまいそうだ。
  ここの山野草園では定期的に雑草を刈り取らないと山野草も生きてゆけない状態になっている。つまり、山野草を人が踏み荒らさないように道路などを作ると、道路周りの地面が乾燥して、雑草と称する特殊な草が繁茂を始めるのだそうだ。

写真:オミナエシ(13時57分)、オミナエシ科オミナエシ属

写真:タムラソウ(14時2分)、キク科タムラソウ属

写真:白いツリガネニンジン(14時4分)キキョウ科ツリガネニンジン属、白いツリガネニンジンは珍しいのではないか?普通は薄紫色。そういえば、本来は赤紫色のホタルブクロも伊吹山に自生するものは殆どが白色らしい。今回は撮り損ねたが。

写真:アカソ(14時10分)、イラクサ科カラムシ属

写真:ヨツバヒヨドリ(14時26分)、キク科フジバカマ属

写真:ゴマナ(14時29分)、キク科シオン属

写真:イブキフウロ(風露)(14時37分)、フウロソウ科フウロソウ属。


 この後で、薬草風呂で汗を流し、ロープウェイのゴンドラから近江平野を眺めながら帰路につく。山野草教室の参加費用はゴンドラ代、受講料、薬草料理代、展望風呂代の合計で2500円であり、安いと思った。山野草の料理もおいしかった

写真:ゴンドラからの眺め(15時33分)

 午前中の散策で見かけた野草の花々は、

写真:ワレモコウ(11時17分)、バラ科ワレモコウ属、日当たりの良い山野に生える多年草

写真:ミツバフウロ(11時20分)、フウロソウ科フウロソウ属、山地に生える多年草。
 今や名古屋の住宅街ではなかなか見ることができないバッタがここではいっぱいいる。ミツバフウロの右上で夫婦のバッタがこちらを見ている。昔はこのような風景は珍しくも無かったが、今では懐かしい風景だ。

写真:ヒルガオ(11時25分)、ヒルガオ科ヒルガオ属、名古屋市内の川縁などでも見かける

写真:キツリフネ(11時29分)、ツリフネソウ科ツリフネソウ属、山地に生える多年草

写真:イブキセリモドキ(ヤマゼリ)(11時40分)、セリ科ヤマゼリ属、深山に 生える無毛の多年草

写真:ヘクソカズラ(11時43分)、アカネ科ヘクソカズラ属、名古屋市内の公園でも見かける

写真:ノカンゾウ(11時44分)、ユリ科ワスレグサ属、名古屋市内の野原でも見かける、花期は7-8月

写真:ユウスゲ(11時44分)、ユリ科ワスレグサ属、山地に生える多年草、花期は7-9月

写真:ネジバナ(11時50分)、ラン科ネジバナ属、名古屋市内の野原でも見かける

写真:シデシャジン(11時51分)、キキョウ科シデシャジン属、山地に生える多年草

写真:ヒメヤブラン(12時7分)、ユリ科ヤブラン属、山地の木陰に生える多年草

写真:クサボタン(12時28分)、キンポウゲ科センニンソウ属、山野の明るいところに生える、花期は8-9月

写真:シオガマギク?(12時30分)、ゴマノハグサ科シオガマギク属

写真:センニンソウ(12時31分)、キンポウゲ科センニンソウ属、野原に生える

 
 午前の部の観察が終わり、薬膳料理をいただいた。なかなかおいしかった。

 料理のおしながき;
  一.山野草の天ぷら(よもぎ、しろよめな、いぶきふうろ、げんのしょうこ、とうき)
  二.伊吹産黒ごま豆腐
  三.茗荷粕漬、うり粕漬
  四.山野草三種盛り
    (おとこえしの酢味噌和え、ひれはりそうの胡麻和え、しろざのマヨネーズ和え、伊吹ハム(山椒入り)
  五.はないかだの菜飯
  六.きゃらぶき
  七.鮎の甘露煮
  八.おすいもの
  九.伊吹ヨーグルト

 山頂のお花畑を見た後に、頂上の駐車場から伊吹山ゴンドラの山麓駅まで1時間弱かけてドライブ。山麓駅からゴンドラに乗って3合目にあるピステジャポン伊吹へ行く。ここで山野草教室(11時-14時30分)に参加した。案内人の森先生について付近の森に入り、路傍の山野草(木)について説明を受けた。森先生は15年も案内人をやっておられるベテランで花の特徴、名前の由来などを面白く教えていただいた。

写真:中央丘陵部分の周辺が山野草の草原。イノシシが根っ子を食べたり、雑草(ススキや笹など)がはびこったりで山野草を元気に維持管理するのが大変そうであった。山野草の中には昔は平地でも咲いていた種類も多い。維持管理さえできれば都会の中でも育てられるはず。

 午前中の散策で見かけた樹木は、

写真:ゴマギ(11時54分)、スイカズラ科カマズミ属、山地や川沿いの湿地に生える。 5月に白い花を多数つけ、実は9~10月に赤から黒に熟す。写真は赤い実である。(以下、カメラはPanasonic DMC-FZ10)。

 山頂(1377m)で朝食をとってから、東遊歩道を降りる。

写真:オオバキボウシ(8時41分)、ユリ科キボウシ属、花期は7-8月

写真:イブキトリカブト(8時43分)、キンポウゲ科トリカブト属、花期は7-8月

写真:サラシナショウマ(8時45分)、キンポウゲ科サラシナショウマ属、花期は8-10月

写真:ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)(8時47分)、キク科アキノキリンソウ属、花期は8-9月

写真:キンミズヒキ(8時52分)、バラ科キンミズヒキ属。山野で普通に見られる。

写真:コオニユリ(8時54分)、ユリ科ユリ属、湿り気のある湿地帯に生える。花期は7-9月

写真:ヤマアジサイ(木)(8時57分)、ユキノシタ科アジサイ属、色は白、淡青、淡紅などがあるが、白のみ見かけた。

写真:シシウド(8時59分)、セリ科。草丈が1から2mにもなる。シシとかイヌなどの枕は、食べられるが人の食物にはならない山野草に付ける。

写真:ミツバフウロ(9時7分)、フウロソウ科

写真:マルバダケブキ(9時9分)、キク科メタカラコウ属、湿った草地などに生える。草丈は1m以上にもなる。

 伊吹山に何故このような山野草が豊富に育っているのか不思議になった。調べてみると、この付近には他に高い山もなく、日本海と太平洋の間の風の通り道になっていることが幸いしているらしい。夏は太平洋の湿気を含んだ風が伊吹山にあたってしばしば霧や雨を降らし、冬は大西洋の湿気を含んだ風が大雪を降らせる。その豊富な水がこのような豊富な草花を育てているのだ。お花畑はまさに自然の恩恵であり、大事に維持してゆかねばならない。
 まず、西遊歩道へ登る。

写真:トモエソウ(7時52分)、オトギリソウ科オトギリソウ属、山地の日当たりの良いところに生える。(以下、カメラはPanasonic DMC-FZ10)

写真:ルリトラノオ(7時59分)、コマノハグサ科、伊吹山頂にのみ自生する。
  クガイソウとの違いは葉が対生で葉柄が無いこと。

写真:ツリガネニンジン(8時3分)、キキョウ科ツリガネニンジン属、8-10月に山野で咲く

写真:アキノキリンソウ、ルリトラノオ、シモツケソウ(花が終わっている赤い色の株)(8時3分)

写真:ヒロハシモツケ(8時8分)、バラ科シモツケソウ属

写真:タムラソウ(8時10分)、キク科タムラソウ属、アザミに似ているが棘がない。

写真:メタカラコウ(8時11分)、キク科メタカラコウ属、深山に生える

 花の山として名高い伊吹山に出かけた。今回は登山ではなく、スカイラインとゴンドラ利用して野草観察をするのが目的だ。山頂のお花畑を見てから3合目で11時から開催される山野草観察会に参加する計画。朝5時30分に家を出て名古屋高速→小牧IC→名神高速→関が原IC→365号線→伊吹山ドライブウェイと走り、7時過ぎに山頂駐車場に到着。駐車場にはまだ20台くらいしか車は無い。ガスのために駐車場から頂上も下界も見えない。7時半ごろになって少しガスが晴れてきたので、2時間弱かけてお花畑を西遊歩道コース→東遊歩道コースと一周する。ガスの合間から広大なお花畑が見えてくる。歩道(登山道)の両側にはロープが張ってあって、お花畑に入れないようしてある。

写真:西遊歩道入り口付近の西斜面、サラシナショウマ、オオハナウド、アカソ などがにぎやかに咲いている(7時46分)。(カメラはPanasonic DMC-FZ10)

お花畑について:
 ドライブウェイが全線開通したのは1965年7月。自然にあったお花畑は、開通後観光客が踏み荒らした結果消滅し笹原になってしまった。そこで、関係者がお花畑の復活に努力し、今日のようにすることができた。笹や雑草を除去し、花の種をまいて少しずつ花を増やしていった。現在でもこの作業は続いているとのこと。

 地蔵尾根、文三郎尾根での行動はバランスの悪い筆者には難しいと判断。体を鍛えて将来再び挑戦することにする。今回は赤岳に登らずに美濃戸口まで下りる。再び柳川南沢の道を選ぶ。早く下りて茅野市で温泉に入ろう。道沿いの花を探しながら、急いで下山し、11時26分発 美濃戸口→茅野駅のバスに間に合った。

写真:ヤマハハコ(7時3分)、キク科ヤマハハコ属、山岳道路の縁など、日の良くあたる乾燥気味の礫地などに生える。花期は8-9月。(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)。

写真:アキノキリンソウ(7時4分)、キク科アキノキリンソウ属、花期は8-9月

写真:トリアシショウマ(7時47分)、ユキノシタ科チダケサシ属、花期は7-8月

写真:ヤマホタルブクロ(8時32分)、キキョウ科ホタルブクロ属、花期は6-8月

写真:苔むした岩々(9時14分)

写真:ソバナ(9時45分)、キキョウ科ツリガネニンジン属、花期は8月

写真:シモツケ(10時5分)、バラ科シモツケ属、花期は7-8月

写真:アカツメグサ(10時7分)、マメ科ジャジクソウ属、ヨーロッパ原産の多年草、花期は5-10月

写真:ヤマオダマキ(10時42分)、キンポウゲ科オダマキ属、花期は6-8月

 行者小屋(2350m)に一泊した。昨夕は夕立があった。ここ数日夕立があるそうだ。しかし、今朝は快晴だ。山は午前中、特に朝は晴れることが多い。小屋前から横岳、赤岳、阿弥陀岳が良く見える。
 赤岳に登るのに比較的安全なコースは、地蔵尾根から登り文三郎尾根に下りる道らしい。傾斜が30度前後の道を1時間前後で登ったり下ったりできる体力とバランス維持力が要求される。鎖や梯子が整備されているので注意して行動すれば危険は少なく小学生も登っているらしいが、脚力に自信がない向きは登るべきではないだろう。

写真:行者小屋前から見える横岳、赤岳、中山、阿弥陀岳(朝5時)(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)。
 八ヶ岳は南北30Km,東西15Kmの独立した火山群。100~300万年前に噴火してできた。山体はおもに輝石安山岩と集塊岩から成り、広大な裾野は火山灰が堆積してできている。

写真:行者小屋

 行者小屋の近くにある中山展望台(中山乗越、小屋から15分くらい、標高2370m)に登ると中央アルプスや北アルプスの山々が見えた。これほどきれいに見えることはなかなか無いらしい。ラッキーだった。

写真:木曽駒ヶ岳(中央左のピラミッド 朝6時31分)

写真:木曾御嶽山(朝6時31分)

写真:乗鞍岳(朝6時32分)

写真:阿弥陀岳(朝6時34分)

写真:赤岳(朝6時34分)

写真:横岳(朝6時35分)


 美濃戸山荘(1710m)からは車は入れない柳川南沢登山道になる。沢を横切りながらの比較的緩やかな登りとなる。

写真:ミヤマセンキュウ(12時15分ごろ)、セリ科ミヤマセンキュウ属。(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)

写真:柳川南沢(12時17分ごろ)

写真:花の名は不明(14時34分ごろ)

写真:白河原(しらつかはら)からの横岳が見える(15時00分)。行者小屋まで後わずか。河原の回りはシラビソ(マツ科モミ属)の林

八ヶ岳裾野散策

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 八ヶ岳最高峰の赤岳(標高2899m)を目指す。今日は行者小屋(標高2350m)まで登り一泊して、地蔵尾根などの情報を聞き、赤岳に登るかどうか決めようと思う。名古屋を「しなの1号(7:05発)」で出発し、美濃戸口(標高1480m)に10時過ぎに到着。10時40分ごろ行者小屋(2350m)を目指して出発。標高差870m。登山道沿いに咲いている花の写真を撮りながら登る。

写真:キボウシ(11時5分ごろ)、ユリ科キボウシ属。(以下、カメラはPanasonic DMC-FX9)

写真:キオン(11時6分ごろ)、キク科キオン属

写真:クサボタン(11時45分ごろ)、キンポウゲ科センニンソウ属

写真:美濃戸山荘前にて(11時47分ごろ)

 先日来、定例の土手の草刈が行われていた。雑草で覆われていたところが動力カッターできれいさっぱりに刈り取られて、その後に草の新芽が出てきて遠目にはゴルフ場の芝生のような感じになっている。しかし、このような場所ではか弱い多くの草花は生き残れない。だから、今の時期では、花といえば土手の歩道脇に植えられた木の花くらいだ。ただ、木の周辺では動力カッターによる草刈も手加減しているせいか、草花も少しは残っている。

写真:ハナゾノツクバネウツギ(スイガズラ科、ツクバネウツギ属)

写真:キンシバイ(オトギリソウ科、オトギリソウ属)、原産地は中国

写真:ヤマハギ(マメ科、ハギ属)

写真:不明

写真:ヒメジョオン(キク科、ムカシヨモギ属、北アメリカ原産の帰化植物)、動力カッターにも負けないタフな花。

写真:コスモス(河川敷にあるコスモスの花園。毎年沢山の花をつけている。)


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