2004年2月アーカイブ

 この言葉は、ソニーの安藤社長が 2003 nternational CES で講演した時に使われた。しかし、私はそうであっては困るといいたい。
 ソニーが目指しているものは大変魅力的であり、是非実現してほしいと思うが、それが主役であっては人類は21世紀を乗り切れない。ブロードバンドを使って人々が交流し、問題を解決してゆく方向が主体にならなくてはいけない。21世紀には多くの人々はTVの前に座ってエンターテインメントを楽しむことよりも、人と人との交流を楽しむほうを選ぶという仮説を立ててみた。この仮説にたってホームサーバを考えてみたい。

 私は、常々これを疑問に思っている。
 現在の料金体系はランク別けはされているが、最低通信速度が保証されていないから問題が起こる。
 NTTに聞くと、「Bフレッツサービスは、ベストエフォート型のサービスであり、最低通信速度は保証しておりません」という決まり文句しか出てこない。
 今回、プロバイダが一歩踏み出してくれた。通信量制御ができるなら、最低通信速度の制御もできるのではないか? 是非、研究してほしい。これができればブロードバンドの将来は明るい。なぜなら、今までできなかったコンテンツの品質保証ができるからだ。ユーザ数もさらに増えるだろう。

 今までFTTHの通信速度低下の実態について議論してきた。
 ところが最近、違法大容量ファイル交換ユーザの通信量(=トラフィック)をプロバイダが制御し始めたことを知った(注1)。これをすれば、低い通信速度を正常に戻すことができる。BROBAも始めたようで、自宅の通信速度も最近改善された。当然のこととは言え、FTTHでありながら低通信速度に泣かされてきた者とっては朗報だ。
 気を付けねばならないことは、ひとりのユーザに制御がかかっても、別のユーザがまた始める可能性が高いことである。もぐらたたきを継続してもらわないと、標準的な通信速度を維持できない。
注1:AsahiパソコンNo.354(2004.03.01)号 P.16-17

 これはADSLの通信速度との比較で言っているもので、自宅から地域の電話局(Last One Mile)までの光通信速度のことである。そこから先はみな光回線になるわけだから、ADSLもFTTHも条件は同じである。いくらFTTHでLast One Mileが速くてもプロバイダの回線が混めば、総合速度が数100Kbpsの速度に落ちてしまう。しかし、マスコミがこれを取り上げることはほとんどないのでFTTHは速いという神話ができてしまった。

 私はBフレッツファミリー100で、プロバイダにBROBAを使っているが、午後8-10時のゴールデンタイムには1.5Mbpsでれば幸せというのが実態である。月毎の利用料金がBフレッツファミリー100の2倍もするベーシックでも同様のことが起こりうる。事実、ベーシックに契約している人(プロバイダは不明)がBNRスピードテストの掲示板で不満を述べている。

 FTTHの優越性はプロバイダーの専用回線などが混んでいない時には大きく、スピードテストの結果が20Mbpsになる場合もある。しかし、正直言ってこんなに速くても一般家庭の使用目的にはありがた味はない。「総合通信速度は最低3Mbpsを保証します」と言ってくれたほうがずっと価値が高いがそれはできないらしい。

 下りの通信速度は、FTTHといえどもプロバイダーや接続時間帯によって大きく変わり、常時2から3Mbps以上を得るにはNTTやプロバイダーと常に交渉する必要がある。一方、上りの通信速度についてはどうであろうか?これもなかなか厳しいのである。FTTHはADSLとは違い、上りと下りの速度は同じという契約になっている(注1)。ところが、実際に速度を測定してみると、上り速度は下り速度より常に低い。

 日曜日の午後9時ごろでは下りが1.5Mbpsの時に上りは300Kbpsから900Kbpsしかでない。これはBROBAも@Niftyも同様であった。速い通信速度が得られる昼間帯に、月曜日の午後1時20分にBRNスピードテストでBROBAについて計測してみた。下り速度約が20Mbpsでているときに上り速度は約2Mbpsであった。明らかに上りの速度は抑えてあり、契約違反である。
    
 Webサーバを運営しているユーザの場合、映像ファイル(Mpeg4相当)を載せていると、500Kbps-1Mbps程度の上り通信速度は欲しくなるが、なかなかこの速度が出ない。Webサーバを観てくれるコミュニティの仲間から、「映像が途切れるよ」とクレームがつくことがしばしばである。

 プロバイダとしてのBROBAに接続して映画などを観る時には、一般のインターネット回線を通らずCDN回線(注1)を通る。BROBAのCDNはNTT東日本・NTT西日本の地域IP網と直結しており、インターネット網とは異なる。このため、ブロードバンドスピードテスト(http://www.speedtest.jp/)
の結果とは無関係に、1.5Mbps(最高6Mbps)の映像が常に快適に鑑賞できる。実際に、スピードテスト結果が200kbpsであった時に1.5Mbpsで高品質な映像での映画鑑賞ができた。
 私の家の場合、午後8時から10時のゴールデンタイムにインターネット経由で1.5Mpbsの通信速度を安定に維持するのは難しいから、映画鑑賞にはCDN回線経由が必須である。FTTHだから映画鑑賞もらくらくというような短絡的な期待は禁物である。

 最近インターネットサイトの写真や映像の表示が時間帯によっては非常に遅くなっていると感じる。
 通信回線はBフレッツファミリー100で、2002年10月から利用している。プロバイダーはBROBAである。通信速度を計測(注1)してみると、ウィークデー(水曜日)の午前11時30分には約8Mbpsでているが、午後8時ー10時帯では1Mbps前後となり、深夜0時ー2時では200kbps-0kbpsになってしまう。BROBAの担当者の説明では、極端な速度低下は一部のヘビーユーザが大量のファイル転送をするのが原因とのこと。BNRスピードテストの掲示板にもそのような指摘がある(注2)。
 しかし20時ー22時での速度低下の原因はそれだけではなさそうだ。NTTやBROBAの回線能力がユーザ数に比べて低すぎるのではないか?そこで、通信網のどこが混んでいるのかを調べてみた。

 観たいTV番組などを電子番組表で自動予約しHDD(ハードディスク)に録画、蓄積してくれるHDDレコーダが売れている。「観たい時に観たいテレビが観られる」という長年の夢が一部実現できたのだから、人気が出て当然と思う。 このHDDレコーダをワイヤレスLANに繋いで、LAN上のパソコンから録画されたテレビ番組を観られるようにしたビデオサーバが商品化されている。これはまさに家電として販売されたホームサーバの最初の姿といえる。

 このホームサーバにゲートウェイ機能を持たせインターネットに接続して、
  ・外出先からケイタイなどを使って録画予約する
  ・録画したTV番組をMpeg4で圧縮してネットに送信し、外出先でパソコンでみる
 こんなライフスタイルが家電メーカから提案されている。しかし、私は後者に関してはやるべきでないと思う。確かに魅力的ではあるが、あまりにも個人に閉じた使い方でしかも多くのネットワーク資源を消費する。ネットワーク資源に十分な余裕があれば別だが、日本の基幹通信回線の余裕も少なくなっていると聞く(注1)(注2)。ネットワークの使い方としては最低限、社会性のある使い方というのを提唱したい。

 私としてはホームサーバをWebサーバとして使い、友人とのコミュニケーションまたは自己実現のために使うニーズも多いのではないかと思う。ホームサーバの有用な使い方に関する研究が必要である。

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